エピローグ
「ツカーサ? こっちでイイの〜?」
「うん。次の十字路を左に曲がってすぐだよ」
俺が再び学校に行き始めてから一週間が過ぎた。
今日は週末の土曜で学校は休みだ。
俺と子供たちの四人はその休みを利用して、結芽たちの希望で、外出することになった。
「そういえば、あの時の点数が一番高かった教科担当者へのご褒美の話しは、失くなってなかったんだね」
「当たり前よ〜。それがあったから、わたしたちもより頑張れたんだもの」
隣を歩く歌恋がそう答えた。
以前に、俺が三人のうちの一人のご褒美となるルールを設けた事を思い出す。
どうやら、今日はそれを実行するために俺を連れ出したようだ。
「でも、最初に来る場所がここで良かったの?」
「もちろんです。ちゃんと、約束が果たせた事をご報告したかったので」
結芽もこの場所には満足しているようだ。言葉の感じから嬉しそうなのが伝わってくる。
ルール上、三人のうちの一人という話だったが、三教科とも満点で、同じ点数だったため、三人とこうして今日一日を過ごすことになったのだ。
いくつか行きたい場所を出し合って、三人の共通意見だったこの場所には、最初に足を運んだ。
この後も三人が行きたい場所を回る予定だ。
今日はだいぶ足が疲れそうだな。
「あ、ここだ」
そんな事を考えながら最初の目的の場所へついた。
そこには、日が当たって乾き切った黒くて四角い柱が建てられ、左右には綺麗な花が添えられている。
もしかしたら、俺たちよりも先に誰かきていたのかもしれない。
俺は肩にかけて持ってきていた鞄を置いて、準備を始めた。
「ツカーサ! ワタシ、バケツに水汲んで来るネ!」
「じゃあわたしも付いていくわ」
「うん。よろしくね二人とも」
そう言って、ミーシャと歌恋は来た方とは反対の道をかけていく。
結芽は、俺の隣にちょこんとしゃがみ、手を合わせていた。少し早い気もするけど、話したいことがあるのだろう。
俺も、お菓子とかを鞄から出して、準備を進めながら心の中で呟きかける。
(久しぶり……。今日は一人じゃなくて合わせたい子たちを連れて来たんだ)
俺たちを照らす太陽の光が、少し強くなった気がした。
まるで、俺たちを歓迎してくれているみたいだ。
(とてもいい子達でさ。本当に俺に取っても、大切な子供たちなんだ。それと、聞いてほしい話もあるんだよ。ここ数週間の話なんだけど)
俺は、顔を上げて墓石を、じっと見つめた。
(あのね、母さんーーー)




