2話 冷たい偽彼女
帰路に着いた俺は、明日からのことを考えていた。
「偽彼氏になったのはいいけど、何をすればいいのだろう?分からないな。」
瑠奈ちゃん可愛くなってたな。そりゃモテるよな。偽とはいえ、彼氏かー。大丈夫か?がんばるしかないよな。本当の彼氏になれたりして。いや、ないない。なりたいとは思うけど、あっちがそんな気持ち持ってくれるわけないしな。寝よ。
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翌日
実は今日から朝から一緒に登校することになっている。やっぱ不安だな。頑張ろう。いつもは髪を整えたりしないけど今日はしていこう。きちんと服も整えた。よし行こう。
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優希の家の前に着いた。待ち合わせは10分後。緊張するな。昨日でさえ話したのは5年ぶりなのに、今日は2人きりで話すことになる。二人きりで話すことなんて記憶にはない。
「どんな会話をしようかな。うーん。その毎日告白されてることについてでも聞こうかな。そうしよう。」
そんなことを思っていると優希が出てきた。
「おう。愛斗早いな。瑠奈ももう少ししたら出てくるも思うからよろしくな。」
「おう。任せとけ。」
優希は学校に向かって歩いていって。周りの女子がキャアキャア言ってる。羨ましい。
そんなことを思っていると、瑠奈ちゃんが出てきた。
「愛斗さん、おはようございます。今日から偽彼氏宜しくお願いします。」
「うん。よろしくね。瑠奈ちゃん。」
「あ、すいません。瑠奈ちゃんじゃなくて、織田さんって呼んでもらってもいいですか?」
「あ、ごめんね。織田さん。」
そう言って2人で学校へと歩き出した。歩き出したはいいものの話せる雰囲気じゃない。明らかに話しかけるなオーラを出している。話しかけようにも話しかけれない。どうしよう。
いつの間にか学校に着いていた。織田さんは、では失礼します。と言って自分のクラスに歩いていった。
このままでは俺、偽彼氏でもなんでもないな。どうにかしないと。てかrine交換してないじゃん。昼休みにでも言ってみるか。言えるかな?
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昼休み
俺は織田さんのクラスに行き、織田さんを呼んだ
「織田さん一緒に弁当食べようか。」
「え?なんでですか。食べる必要あります?」
「あ、ごめんね。必要無かったね。ごめん、言い難いんだけどrine交換してもらってもいい?」
「rine?はい。大丈夫ですよ。交換しましょうか。」
「うん。ありがとう。放課後のことは連絡するね。」
「は、はい。分かりました。よろしくお願いします。」
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放課後
「織田さんお待たせ。」
「待ってないです。」
「あ、そう。ごめん。」
沈黙が続いた。会話しようにもできない。
俺は頑張って口を開いた。
「織田さんは毎日告白されているの?」
「はい。」
「今日も?」
「はい。」
「なんで付き合わないの?」
「よく分からない男子と付き合いたくないです。どうせ私の体目的で告白してきてるんでしょ。」
「なるほど。大変なんだね。」
「そのための偽彼氏なのだから役に立ってくださいね。」
「はい。頑張ります。」
帰り道を歩いていた。やっぱり会話が続かない。ここは東京のど真ん中。凄いチャラそうな人が沢山いる。織田さんはいつもここを歩いて帰っているのか。大丈夫なのかな?それを俺が守るのか。頑張ろう。
そんなことを考えてると前からチャラそうな兄ちゃん3人組がやってきた。