童話のように
翁の言うことには
竹を取り続けることが使命であり
桃を切ることが願いらしい
まるでそう言い聞かされたように
誰かの言いなりかのように
竹は毎日燃えてすぐに消える
翁は竹をよろずにも使えず
燃料にもならず無駄にするばかり
冬を越すつもりはあるのか
翁の言うことには
使命と願いのために
それ以上の言葉は聞き入れず
今日も竹を取りに山へ行く
いつまでも童話を忘れず
いつまでも童話離れできず
いつまでも童話を信じて
いつまでも山から離れない
いつか童話のように消えて行くのか