リザベータ無双せず?
先日
うっかり下書きを投稿しました。
「ラウール・・・・」
もう、冷たいお母様の声が聞こえて気が遠くなりそうです。
いや、もう幼児の寝る時間は過ぎてまーーす。
私は、1歳眠いです。
私を膝に抱いたままお父様が横に視線を逸らす。
向き合いなさいよ!
「リータ。」
甘い感じでお父様の声。
ん?初めて聞くお母様の愛称。
これは、2人だけの呼び名かな?
「まぁ、誤魔化されませんよ。」
やっぱり・・そっか。
「これでも駄目か・・・。じゃリザ姉様・・・・。」
・・・・・・・・ラウール。
子供として、今あなたが恥ずかしい。
きっと、これは過去、ジルベール叔父様がいた時の呼び名かな?
甘えて、全てをお母様に任せる気ですね。
ここまで、するかなぁ。
「もう、レベッカには会わない。これは決めた事。」
お父様も頑な。
「お子様が3人もいらっしゃるのに。」
「厄介ばらいなさるのですね。」
「あれほど、ラウール様の事を愛しておられますのに・・。」
「あの人は、私を愛してなどいない。
自分の思い描くユールヴェル侯爵家のラウールを愛しているらしい。
嫁いで来てからも、一度も生身の私を見たことも無いだろう。」
「食卓に好物ひとつ出たことも無く、茶葉の好みも知らない。」
「自分で用意等しなくて構わない。
メイドに一言『旦那様のいつも召しあがる物を』と
言うだけで済む。家令に好みを聞く暇などいくらでもある。
それすらせずに『愛している。旦那様が生きる全てなどと』睦言で言われても。
どこの旦那様の事だろうと思える。」
「でも、お子様のことを考えると。」
「今のレベッカの様子なら母親と言えぬ。
あの状態なら、居ない方が子供には良い。」
「旦那様、でもなんと言われてきたのですか?
あれほど旦那様を頼りに縋っておられますのに。
もし、儚くなられたりすれば。
思い詰められれば、何をなさるか・・・。
ご心配になられないのですか?」
「まさか、あれほどご自分に酔われる方が儚くなど。
ありませんね!」
断言しますか・・お父様。
急に私を抱くお父様の手が優しくなった。
トントンしてくる。
寝かせる気だな!
眼が冴えた。
寝たふり。寝たふり。
「クークー。」スヤスヤ。
ソファーにそっと降ろされる。
お父様が上着をかけてくれる。
絶対寝ない・・・・決心する。
「ラウール・・。」
氷の声にお父様が声を被せる。
「リザ姉様。」
聞いたことの無い優しい声で。
後悔を滲ませながら。
「あの頃、僕は子供だった。
年齢こそ、成人で子供もいて。
それでも、リザ姉様を納得させられる言葉を見つけられなかった。
貴女を妻と呼び、子供に父と呼ばれながら心の中では
まだ、貴女をリザ姉様と呼んでいる子供だったんだ。」
「ラウール・・・。」
「貴女が、歳が上な事
子供を産めなくなる年齢が近い
家を継ぐ男子を産めないのでは無いか、
と悩んでいるのも知っていたのに
そうでは無い。と言ってあげられなかった。」
「侯爵の家など、誰が継いでも良いと
もう、2人の子供がいて娘に婿を迎えれば済む。
それで、立派に血が繋がった子が継げると言えば良かったのに。
言えませんでした。」
「あの頃、思い詰めたようなリザ姉様に掛ける言葉を私が持っていなかった。
どう言っても貴女を納得させる事。説得する自信がなかったのです。
貴女を、苦しめたくなかった。
第二夫人を持てばあなたの苦しさが少しでも減るのならと言い訳して
せめて、レベッカが1人目に男子を・・・。と思い
結局自分の弱さに負けて
気が付けば、8人の娘の父親になっていました。」
8人の子持ちに気が付けばなる?
衣ずれの音がして、お父様がお母様に寄り添った・・のかな?
「今の私なら、決して貴女以外の妻など持たなかった。
家の主として、貴女の夫として。
自分の意思を曲げずに、はっきり言える。
他に妻は要らないと。
リータ・・・・。愛している。貴女だけを。」
なんだか、お邪魔っぽい。
本当に寝れば良かった。
甘い、スィーツな香りがします。
その時、外の気配が慌ただしくなってきた。
「旦那様。」
「なんだ?」
邪魔です感がハンパナイですお父様
「失礼、いたします。
今、別邸の方から至急旦那様のお耳にと。」
「レベッカ様が、あの後家令に色々相談されたそうで
『いっそ、レオン様がいなくなれば・・・』
『ラウール様の跡継ぎを産むのは自分だったのに。』
『本当に、邪魔。リザベータ。』
『ナイフにしようかしら?毒の方が良いかしら?』
『ねぇ、ナイフは台所にあるでしょう。
いっそのこと他の方も一緒にいなくなればいいわ。
どこに行けば毒を買えるかしら?』
と仰っておりますが、どういたしましょう?」
どいたしましょう?
って、大量殺人未遂。
怖いので寝てしまいます。
投稿が遅くなりました。
(__)