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リザベータ無双 前?

お母様が強化されているのは、お父様のせいですね。




第二夫人に颯爽と永遠の別れを告げ


私を抱き上げ、お父様が向かった場所は使用人用の裏口。



なぜに?きちんと別棟用のドアでは無いの?


お父様は堂々と、こっそりと、ユーリエに扉を開けさせて滑り込むように廊下へ


「「おかえりなさいませ。」」


執事の声とお母様の声が重なって聞こえました。


「今夜もレオンと夜更かしですか?」

氷の様な笑みを浮かべたお母様のお出迎え。


「この屋の主人なのですから、このように使用人用の出入り口などから

お帰りにならなくても、きちんと別館用の扉から戻られればよろしいのではありませんか?」

「こちらは、あくまでも使用人用のドアですから。」

「一家の主の出入りに使われるなど、あるまじき。」

「こちらでお話するというのも、主らしく無いですからね。あちらにまいりましょうか。」


にっこり誘われれば、ぎこちなく堂々という難しい事をこなすお父様。

やはり、身に付いた作法というのは、どんな時も裏切らずに所作にでるのでしょう。

簡単にいえば、奥様におびえてビクビクしていても貴族らしさが滲み出ていいます。お父様。


「レオンを部屋で寝かせてください。もう寝る時間は過ぎていますよ。」

母が、ユーリエに命じました。

私も、この夫婦の静電気がピリピリしているような空間を1分1秒でも早く去りたいです。


「旦那様?」

お父様が放してくれません。

「レオンは、父と一緒が良いのか。そうかそうか。」

なんだか、孫を抱いたおじいさんみたいになってますが、私を抱きしめる腕の力が強い。

ここで、私を盾にする気でしょうか?

私の様な、微小な盾ではお母様の攻撃は防げない気がします。

いや、絶対防げないでしょう。


夜更けの、お母様の来客用の部屋、サロン?なのかな。

お母様のお茶会や、出入りに商人との面談に使う部屋に落ち着きました。


「お座りになって。」

お父様が、お母様の向かいのソファーに浅く、ちょこんと座る。

なんだか、可愛い。こういうとこギャップ萌えな所。

やっぱり、見た目はお父様もありだわ。


膝の上には、ぬいぐるみの様に抱かれた私。

なんだか、こういう事が増えるなら着ぐるみ作ってもらおうかな?

だって、膝にテディベアのレオンとかウサギ耳レオンとかいれば

相手はきっと真剣に怒れないはず、可愛いから。

わぁ、自分で可愛いとか過去なら言えない。


勝手な想像の外では、お父様がお母様の視線のブリザードに耐えていた。


「レベッカ様とお過ごしのはずでは?」


「侯爵家の子の手を挙げるような人は我が家には不要。」


「まぁ、貴方はそれを理由にレベッカ様を退けられますのね。」


「安心して屋敷を留守にできないのでは、仕事ができない。

領地に帰る事も出来ないのでは。家を預けられない第二夫人など無用。

領主と第一夫人が留守の間、この屋敷を守る事も第二夫人の仕事の一つでしょう。」


第二夫人の仕事・・知らなかった。


「レベッカは、私の相手をし、子供を、男子を生む事だけが

第二夫人の役目だと思っているようだが、第二夫人の仕事はそれだけでは無い。

女の子というだけで娘たちもあまり構ってもらっていないようだった。

リザベータ、貴女の落ち度、ですよ。」

「屋敷の内向き事は、全て第一夫人の貴女の管轄。全て任せていたはず。」


「申し訳ございません。旦那様。」

おぉ!お父様が攻めている。


「今回の件は、わたくしの落ち度です。

それでも、レベッカ様がお嬢様たちを気に掛けられなくなったのは最近の事です。

そう、レオンが生まれるまでは、ラウール様の子だからととても大事に育てておられました。」


「旦那様。レオンが生まれてレベッカ様を顧みられなくなりましたよね?」


「・・・・・・・・・・・・まぁ、その様なことが・・・・。」


「レベッカ様はお嬢様達に

『やはり、男子を生まなければならなかった。

娘では、駄目だった。

お前たちが、女だから。旦那様が私を愛さなくなった。

女ばかり3人も、お前たちのせいだ!』

と最近では折檻されていたようで。

私が、気が付いて良い教師がいるからと、タイロン殿を口実に

母屋で過ごす時間を取るようにしていたのですが。

それで、少しでも旦那様がレベッカ様との時間を作られれば良い

レベッカ様の気が晴れる。気分も変わられると思っていたのですが。」


「ラウール殿!」


お父様の背筋がピーンと伸びた。


「ラウール殿、貴方は夫人を娶るという事をどの様にお考えですか。

夫の責任を少しはお考えになっています?

レベッカ様は旦那様をお好きで嫁いでみえたのです。

優しくして差し上げれば良いではないですか。

2人きりで語らい、貴女の事も娘たちの事も気にかけていると

唯、それだけで良いのですよ。手を握られるだけでも

別れ際の抱擁だけでも、女は安心できますのに。」


うん、うん、と私が頷く。

きっと裸で抱き合うよりも、心が伝わる方法もあるハズ。


ん?

頷く私にお母様が?顔


「たった3人、平等にとは申しませんが、せめてもう少し優しくされれば・・」


「私の内には、妻は一人。

その妻の勧めだから、他に妻を娶った。

こう言ってはなんだが、貴女以外の妻を娶ったのは貴女だ。」


え!まさかの責任転嫁。


「・・・・」

お母様絶句。


「レベッカとブリジットは、貴女が勧めて娶った。

リザベータ、あの二人は貴女に気に入られ嫁いできたようなものだ。

貴女の為の、第二、第三夫人。

貴女の妻と言っても間違いでは無い。」




いや、間違いなくお父様の妻ですよね?


まだ、ベッドが遠い

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