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修羅場ってる?

巻き込まれたくはありません!!

夕食。

あーんしている。

スープとパン。

柔らかく煮られた野菜と肉。

デザートのフルーツ。


ユーリエが食べさせてくれる。


私の前にはレベッカ様、横にはお父様。


なぜに?

お父様がヘタレだから。


夕刻 


書斎から出てきたお父様に、お母様が笑顔。

「夕餉は、レベッカ様とあちらで。」


「では、ユーリエ。レオンを連れて来なさい。」


「まぁ!」

「夕食は2人では、寂しい。」


私は、空気も読めるし気も使えるが1歳。

抗議なんて、しては駄目だよね。多分。


そして、レベッカ様がお父様に『あーん』したいはずなのに

私がここで、ユーリエに『あーん』されている。


気まずい。めちゃくちゃ気まずい。

ユーリエのスプーンを持つ手が、レベッカ様の視線で凍りそう。

「レオン様、こちらをもう少しいかがですか?」

って笑顔で聞いてくるけど、目が笑えていませんよ。

時々、スプーンを持つ手が強張っていますよ。

ユーリエまだまだ、修行が足りませんね。


ここで、何か言わなければとも思うけれど

何の経験も足りないが、恋愛系の経験が致命的に不足。

修羅場なんて皆無。

でも、今まさに修羅場だと思います。

お父様が、私を連れて来ているから。

レベッカ様からの静かな怒りを、私とユーリエは感じていますよ。


せめて、早く食べてここからおさらばしたい。

食事が終わった。

ナプキンでふきふき。

さあ!

邪魔者は去る。


「ゆーりえ、かえりましゅ。」

「おふりょ。はいりゅでしゅよ。」

さっさと消えよう。

そこ!ユーリエあからさまにホッとするのは止めるように。


「レオン。いつもの様に父とお風呂か?」

抱き上げるお父様。

いつもって、いつだよ!

いやいや、最近はお仕事忙しくて、私のお風呂の時間の間に合ってないでしょ。


巻き込まないで!

お願い。

泣きそう。

「ん、母が恋しいのか。」

いや、そっちに行っちゃ駄目なやつだよね。

「では、父が連れて・・。」

ボスッ。

思わず、蹴ってしまいました。

鳩尾入ってしまったかも。

「ばーぶ。」

手を上げるふりして顎にも一発、かましました。

ヘタレめ!情けない!


「らうーる!」

「ん?」


ここで、ベリンダ姉様直伝のあれ。


ビシッと腕を伸ばし、人差し指でお父様を指す。


「かあしゃま。れべっかちゃまとみちゅげちゅいいまちた。」


「ぷっ。」

側仕え失格。

「ゆーりえ、ふたりでかえるでしゅ。」


私の言葉で眼を丸くしている二人を置いてさっさと帰ろう。


婚約式からの3歳になかなか行けない。

ラウールのせいだと思う。

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