こんなの魔法?
残念王子
「本当は、秘密じゃないから安心して。」ニコって笑顔がなんだか胡散臭い。
仮にも、一国の王子にそれは無いか・・・。
「実は、レオンこの王子は魔法が使えるんだ。」
「え!魔法!!」
自分を王子っていう王子に、魔法っていう言葉に喰いついてしまいました。
「魔法ってなんでしゅか?」
「この国にはほとんど使える人が居なくてね、私も少ししか使えないが、自然の理に干渉してそれを表現するというか、本格的学ぶには、チカーノ法国の魔法学校に留学しなければいけないけれど。私の立場と魔力が留学を拒むんだ。」
なるほど。王子という立場を超えて留学する程の魔力は無いって事だね。
「じゃあ、お見せしよう。」
「ウォータボール!むぅむぅ~。」
両手の間にソフトボールくらいの水の球が浮かんだ。しょぼい・・・・。
アル殿下は額にうっすら汗かいてるし。
「レオン、どうだい!」
「ちゅまらない!。」
「え~。何で??」
「ボールの中にお魚泳いでません。」
前世の、マリ〇クなどのイリュージョンの方がすごかった。
池から、赤い魚を1匹すくってポチャンと殿下の水球に入れてみる。
小っちゃい金魚鉢みたいで綺麗だ。周りのメイドもウォータボールより感心してみてる。
「おお!レオンこんな発想なかった。レオン殿はすごいね。」
「魔法・・・・それだけでしゅか?」
「それだけって・・。これだけでもできる人はこの国にはいないよ。」
((テーブルマジックとかの方がすごいと思う。水のかたまりだす意味あるのかな?コップで汲んでもよくないかな?))
「じゃ、ファイヤーボール。」
握りこぶしぐらいの火の玉が、両手の間に燃えている。だから・・って感じ。
「何に使うでしゅか?」
「野営の時とか便利だ。、寒い日に直ぐ暖炉に火を入れられる。」
周りのメイドがその答えに若干引いている。
これでは、残念魔法になってしまう。
ここは、やっぱりあれだよ。線香花火。
「アリュ」
「レオンなにかな?」
「火をちいしゃくしゅるでしゅ。」
「ちいしゃく?この位かな?」
「もう少しちいしゃくです。」
ビー玉くらいになった。もう少し小さいほうが良いけど、そこは説明が難しい。
「できたけど、どうしたいのかな。」
「小っちゃい火、パチっとしゃせるでしゅ。」
「ちっちゃい・・小さい火。パチッ・・・・む。火花かな?」
「そ!しょれ!火花。パチパチ。しゅこしぢゅついっぱい。」
「少しずつでいっぱい・・・。」
ビー玉火玉の横で、パチっと火花が散った。
「しょう!できたでしゅ。」
「それ、しゅこし、いっぱい。」
パチ・・パチ・・パチパチ。
線香花火の様になってきた。
周りの側仕えやメイド達がのぞき込む。
「まぁ!綺麗。素敵です。レオン様はさすがですね。」
私付きのメイドは、アドバイスだけの私を褒めてくれる。
汗かきながら、パチパチしてるのはアルフレッド殿下ですけどね。
「いや、レオン殿はすごいよ。」
なんだか、アル殿下ニマッて笑ってるけど。孤独王子じゃなかったの。
一人で頷いていますけど。
「金魚か。ふむ、花などはどうだろう。貴方のためにとか‥良いぞ・・。」
「レオン殿、おかげで有意義な時間が過ごせた。これでまた女性の気を引く新たな手段が手に入った。最近水や火のボールだけでは受けがいまいちになってね。これで、またキャーって宮廷で女子に言われるかも。」
残念王子
やっと
更新できました。
少しですが。