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お披露目の主役は誰?

失敗は成功の母?

お客様がやってくる。たくさんの馬車。

抱かれたり、立ってみたり。

今日の主役頑張ります!


来た!今日の影の主役フィリップ。

「今日はお招きありがとうございます。レオンおめでとう。」

「フィリップ。いらっちゃい」

フッフッフッ待ってたよ。色々ね。


「母が先にお邪魔して側仕えも連れずに、大変失礼いたしました。」

「いいえ、エリーズには急なお願いをしてしまって。どうしても今日の事で相談にのってもらいたくて時間がありませんでしたから。こちらこそ申し訳なかったわ。」

おばあ様、嘘はひとつも無いです。


大広間のフランス窓を開け放ち、庭と広間を行き来する。

食事は、ビュッフェ形式。


最初に入り口で挨拶して。

揃ったところで大広間の前の所で、うちの跡継ぎだ。よろしく的な挨拶をおじい様がして。

みんなに私を見せる。

で、抱っこで回されたりするらしいが、私は歩ける!

で、よちよちあいさつに出向く。

しかも、喋れる。

「レオンでちゅ。よろちく。」

「もう立派な挨拶が、先が楽しみですな。」

すごい!と言われるのも子供のうちだけ。どんどん褒めて。


一通り挨拶も終わって、一息。

今日、絶対に目を離してはいけない相手はベリンダ。


お母様が、監禁しておきたいって言ってたよ。


じわっと、隣ににじり寄り、スカートをつかむ。

ベリンダ確保。

ベリンダ姉様を見ていると、フィリップがどこにいるかすぐわかる。

色々な人とおしゃべりしている。社交的な笑み。スラッとした姿はかっこいい。

ベリンダ姉様、『好き』がだーーーーっと漏れていますよ。

ケーキが出て来てイベントは終了。

あとは、お酒とおしゃべりの社交の時間。


お姉様の眼が大きくなる。

フィリップがお父様としゃべり始めた。

警報発令。お姉様の足が一歩前にでました。


ガスッ。音がするような勢いで、それでも上品にお母様が肩を掴みました。

セーフです。1回目の暴走は止められたようです。


「なあ、ラウール。レオンは面白いこだな。」

「ん?」

「この間親友になったよ。」

「む、父親を差し置いて。息子だから許すが娘なら決闘沙汰だ。」

「どくちんなのはなぜでしゅか?って聞かれたよ。」

「むむっ、なんと答えたか興味が出てきた。」

「なんと答えたんだ。」

「父上ラウールが好きだから、と答えておいた。」

「知っていたよ。貴族院で寝言も聞いたし。毎夜うなされるほど私が好きだったのだろう?」

「ところで、前々から聞いてみたいと思っていたことがあるのだが。」

「なんだ?」

「この機会に。ジルベール殿は本当に病死か?あまりも突然だったから。この祝いの席なら話してくれるのでないかと・・・。」

「兄上は、病で死んだ。間違いないよ。」

「そうか・・・・。」

「詳細は、・・・・・いつかな。私と兄君は似ているところが多すぎて今はな。でもいつか話せると思う。」

「楽しみに待って良いのか、聴かずに済ませた方がよいのか、難しい言い方だな。」

「聞いて、聴かなければ良かったと後悔させるのが楽しみだ。フッフッフッ。」


「おお、忘れるところだったが誕生祝いに何が欲しいか聞いてみたのだが。」

「誰に?私は聞かれていないが・。」

「レオン殿に。」

「あの子に直接聞いたのか?わからぬだろう。」

「いや、ちゃんと答えをもらったぞ。」

「何を欲しがった?」

「なんだと思う?」

「食べ物か?ミルク?お菓子?おもちゃか?わからん。」

「フッフッフッ、きちゅが欲しいと言われたぞ。」

「きちゅ???」

「口づけが欲しいそうだ。おませだな。」

「口づけ?誰の?」

「わからん。誰が良いか考えているのだが思いつかない。」

「まったく、レオンは何を考えているのだろう。父親でもわからん。」

「誰のキチュが欲しいか直接聞いてみよう。」


お父様とフィリップがやって来るのが見えた。お姉様が強張る。

お母様手に力が入る。


「レオン親友のフィリップだよ。」

お母様が

「まぁ、いつの間にレオンはフィリップ様と親友に?」

「この間お屋敷をお訪ねした時に、男同士秘密の話をしましたから。その時から親友だよな。」

「レオン。フィリップが聴きたい事があるそうだが。」

「誕生日のプレゼントの事だが。誰の・・・。」


あ!思いついた。

できる子レオン出番。


「ベリンダ抱っこ。」

抱っこしてもらう。

「フィリップ、それはひみちゅでしゅ。」

「フィリップだけに言いましゅ。耳をかしゅです。」

「ん、耳?。」

フィリップが少しこちらに身体を傾けてきた。フィリップの服の胸元を掴んで引っ張る。

これでフィリップが、こちらにバランスを崩して来た時がチャンス。

私が身体の向きを代えればベリンダの顔のどこかをフィリップの唇がかすめるはず。

そうすれば・・こっちのもの。


思い通りに行きませんでした。

バランスを崩したのはベリンダ。それを支えようとしたフィリップの上に私と一緒に倒れこんでしまいました。

失敗は成功の母。


仰向けに寝転ぶフィリップ。

フィリップの胸の上にちょこんと座る私。

そのフィリップの上に倒れた姉様の唇はフィリップ様の唇の上。

想像以上にうまくいきました。


立ち上がって、あの時の姉様の様に手を伸ばしてフィリップを指さして言います。


「キチュしまちたね。責任取ってベリンダと結婚しゅるでしゅ!」


良し!かっこよく決めた。


間違った?今度は私が強制退場になりました。


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