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ベリンダのプレゼン

お姉様は、フィリップ推し。

至福の朝を迎えました。


目覚めると、キラキラ男子が私を見つめています。肘をついて寝転んで笑顔で!

映画のようです。夢?夢?


「おはよう!レオン。」


レオンでしたね。お父様。


「おはようでしゅ。」


「ご機嫌は良さそうだ。」チュッ。っておでこにチュッ!

はぁ、こんな朝いいわ。


でも、早く慣れないと相手はお父様だし、おでこにチュッくらいで死にそうになっていては、お嫁さんどころか男友達でさえ作れませんね。反省、反省。今後もう少しこの状況になれる必要がありそうです。

王都のお屋敷に帰ったら、もっとお父様の部屋に邪魔しよう。


抱えられて、朝の挨拶。

「おじいちゃま、おはようごじゃいましゅ。」

「おお、レオン良い挨拶じゃな。」

「どれ、おじい様に来い。」抱っこ。

はぁ、おじい様今日も素敵です。


何やら、朝から忙しそうだ。

そう言えば、もうすぐ領地お披露目の誕生会ではないですか。

「必ず、受け取ったと言う返事を、伯爵夫人から貰ってきて下さいね。」

お礼状がフィリップ様の領地へ早馬で行くようです。明後日には、お見えになるのに返事をもらうなど

お母様何か企んでいるのでは?


ベリンダ姉様が起きてきた。


「ベリンダ。」口火を切ったのはおじい様。

何やら、昨日あれから大人の話し合いが行われて、一族の総意が決まっていたらしい。


「昨日の話だが、続きを聞きたいので食事の後、部屋へ来なさい。」


今日は、おじい様おばあ様と両親だけでのお話になる。


もちろん、おじい様に抱っこをせびって付いて行く。聞き逃せない!


ちょっと、ぶっすっとしてお姉様が入って来る。

「おじい様が、誰となら婚約を受けるのか聞かれたから私は・・・。」

ぶつぶつ言ってる。

「ベリンダ、フィリップ様から申し込まれたのですか?」

聞いたのはおばあ様。

「いえ、申し込まれたりしていません。」

「では、なぜフィリップなのだ?」

ここで聴いたのは、お父様。

「そうだな、何故フィリップ殿なのか話してみなさい。私たちを納得させれば反対はしない。」

「おじい様、私達のこと認めて下さるのですか!!。」

私達って、まだ申し込まれても、フィリップ様の気持ちも訊ねてもいないのに・・・ある意味お父様に似ているブレない女かも。


お母様が呆れた顔をした。チラッとお父様を見た気がする。


それから、怒涛のフィリップ推しが始まった。


お姉様は、乗馬が好きだ。学院でも良く乗馬を楽しんでいるらしい。その馬場の隣に王立農業研究所があるのだが王都にいる時には、そこにフィリップ様が良くこられているらしい。あまりにも良く見かけるので気になって訊いてみると、領地の作物を増やすことや、どんな品種が領地の気候に合っているか?など熱心に調べたり。研究費用の寄付も出してくれる。「領地のことを良く考えておられます。」と研究員の評判が良い。


「研究員の中に気になる女性がいるのではないか・・収穫量を増やして遊ぶ金を・・。」

お父様、小さい声ですが、私には聞こえていますよ。


他にも、鉱山に小鳥を持ち込み、それで鉱山での死者が減った。とか色々話していくお姉様。

「私は領主としてのフィリップ様を尊敬しております。」

「その位ならしている者など探せばいる。何故フィリップなのだ?」


「あのぉ・」

声が小さくなる。

「巻き毛がクルクルかわいいなぁ・・・と思ってしまったのです。」

ん・・・・・・・ん?仲間?見た目?

「おじ様なのに、可愛いなんて。そう思ってしまったら。他の男子なんて子供に思えて・・・。」

ギャップ萌え!残念です、お姉様。


皆なんだか遠くを見る目をしています。


気にしてるうちに、恋してしまったのですね。


おじい様が結論を出す。

「とりあえず、許可は出す。こちらから話をしてみよう。ただし領地にいる間・・いやこのレオンのお披露目の間に良い返事をもらえなければ、父が決めた相手と婚約させる。」

「ええっ!」

えーーーーー!だよね。


「良い返事って?」

そこでお父様が

「フィリップ殿から結婚しても良い、と言ってもらえ!!」

おばあ様が

「他の者にも協力して貰えば良いですよ。特にフィリップ殿のお母様は、早く嫁を欲しがっていらっしゃるから強力な味方になられると思いますよ。私も貴女が近くに嫁にくれば嬉しいですしね。少し年上なのは気になりますけど。」

お母様が

「早速、この間のお礼状と一緒にブロワ夫人には、根回ししております。今回はフィリップ殿と一緒にゆっくり滞在していただくようにお願いしておきました。気に入っていただけるように頑張りなさい。ベリンダ。」

「侯爵家の名にかけて、ベリンダが蔑ろにされるような事は許さない!絶交だ!決闘だ!」

お父様、昨日は結婚の方を許さないってって言ってましたよね。

手のひら返し?


「いや・・ともかく一族一丸となって事に当たる。ユールヴェル侯爵家の名にかけて、失敗は許されないと思えベリンダ!」

熱い、お父様が燃えている。

横で頷くおじい様も熱いです。

ベリンダ姉様もうなずいています。熱いです。

浜辺を夕日に向かって走ってるシーンのようです。


お姉さま頑張れ!











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