レオンは見た!
お姉様は婚活中
お父様が言う。
「この機会に親族できるだけ多くの知恵を借りたい。」
貸しても良いよお父様。
「何事だ?」
「ベリンダの縁談です。もう13になります。何としてこのお披露目の後にでも、直ぐ相手を決めたいのです。娘可愛さに甘やかしておりましたが、もうそうは行かなくなって来ましたので。」
「姉上のところの息子達も呼んで下さい。貴族院などで、年廻りが良いベリンダが気に入りそうな相手を知っているかもしれませんから。」
多勢過ぎると、あそこの息子はどうだ、いやもう結婚してしまった。とか話しがまとまらない。
1日目は解散になった。
各自お奨めの相手を絞り込んで2日目に。
皆自分の推薦する相手を売り込もうとプレゼン合戦になった。
流石に名門貴族の推薦。サラブレッド揃い。重複もあったのでそう人数も多くはなく最終候補は5人に絞られた。
私は、全てをおじい様の隣に座って遊んでる振りをして聞いていた。
「向こうの意向もあるでしょうから、今直ぐには決められませんが、ベリンダには嫌と言わせません。今回は私が決めます。娘には選ばせません。」
お父様がそう言った時廊下が騒しくなった。
「お嬢様おやめ下さい。」
「ベリンダ様!」
赦しも得ずにベリンダ姉様が飛び込んできた。
「躾が悪いと笑われるのは母ですよ。」
お母様の叱責が飛ぶ。
「私の婚約者を決める話し合いに、私が呼ばれないのは何故ですか?」
「其方が嫌だとしか言わぬからだ。今回はお前には選ばせぬ。私が決める。今まで持ち込まれた縁談は、お前に聞いて返事をしていたがもう13になる。我がままは聞かぬ。」
「お父様が持ち込む縁談は、嫌以外の返事ができない相手ばかりではありませんか!」
「あなたは、嫌以外の返事をしないのであろう。」
「お受けした縁談の中に、はい!お受けします、と言いたい方が居なかったからです!」
「今決めた5人の中には居るかも知れないぞ。」
「いません!」
えっ!即答。
お姉様の意中のお相手は、このメンバーが絶対選ばない人なの?
「ほぉ。」
おじい様が言う。
「では、どなたの申し込みならベリンダは受けるのだ?』
「フィリップ様の申し込みならお受けします!。」
おおーーーーー出た!フィリップ。
「駄目だ!」
涙目のお父様が叫ぶ。
「フィリップなど出入り禁止にしておけば良かった。こんな子供に色目など使って。」
「私は色目など使われておりません。それにもう大人だから、婚約者を決めろと言ったのはお父様です!フィリップ様は、お父様のお友達で領地も立派に治められています。何がいけないのですか。」
「歳が違い過ぎる。」
「お父様とお母様も8歳違いでは無いですか。それに第2夫人や第3夫人なら15歳違い位良くある事です。」
「其方を第2夫人になどにはせん!」
お父様ズレてますよ。
「フィリップ様は独身ですから、私がお嫁に行っても第2夫人にはなりませんから。」
お姉様もズレてます。