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領地へ出発

フィリップが鈍くてセーフ。

「ん?キチュってなんだ?」


フィリップが考える。


自分の言ったことに驚いて、真っ赤になって唸っているとフィリップがポンと手を打つ。


「まさか、そうかキス?口づけが欲しいのかレオン殿は。さすがラウールの子。早熟。おませさんだね。しかしさて、誰の口づけが欲しいのだろうか・・・?」


真剣に考え始めるフィリップ。

乳児のいう事をそこまで深く考えないで欲しい。


思ったより、真面目なようだフィリップ。私にキスさせる相手をすっごく考え始めたようだよ。怖いよ。


ちょっとだけ、フィリップにキスされるのも悪くないような気がしただけだったのに。

真面目フィリップ。ドンファンは、仮面?


そして、今日は領地への出発の日。


1週間かかるけど、ホテルなどには泊まらず先々の領主の館で接待されるのだそう。だから大勢では相手にも迷惑をかけるのでメンバーは、お父様、第一夫人。そして子供の母親、同母の兄弟になるらしい。

で、今回は私が第一夫人の子供なので、父、母、姉3人。使用人は接待メンバーには入らないので6人でお出かけになる。

馬車に乗るのは、お母様とお父様と私と私付きのメイドのロザリー。メイドその2になる。

もう一台の馬車に姉たちとメイド頭のテレサが乗っている。


父上は、馬車に飽きると馬に乗るので父上の馬もついてくる。

私が見るところ、立派なファザコンのベリンダ姉様が自分も馬に乗る!と騒いで父上と同じ馬に乗せてもらったりしている。

「本当は、自分の馬も連れて来てくれれば、馬車に乗らずにすんだのに。」

ってぶつぶつボヤいている。


乗馬服で他の貴族のお屋敷を訪ねるのは、貴族の令嬢としてはダメダメらしいので、出発前にお母様にすっごく怒られていた。

「そんな事では、いつまでも貴方だけ婚約が決まりませんよ!」

「とっくに婚約が決まっていなければいけないのに。嫌がる相手を押し付けても仕方ないとか。お父様は本当にベリンダには甘いのだから。」

「あら、お母様だって結婚は23歳だったのでしょう。私にはまだ10年もあるではありませんか。」

あ!お姉様そこは多分地雷ですよ~。


「ベリンダ!ちょっと来なさい」


静かに、ピキピキした静電気のようなお母様の怒りが感じられます。

静かに他の姉様とメイドが部屋から出ていくのが見えました。

ベリンダ姉様、鈍すぎですよ。


私は、ベッドの上だったので逃げられず、王女教育の成果なのか、語彙の豊富なお母様のお怒りの言葉勉強させていただきました。いつか使わせていただきます。

でも、1時間ほどで言葉のループが始まったので、ちょっと泣いて開放してあげましたけど。感謝してね、お姉様。


馬車に揺られ、外の景色を眺め興奮して、お屋敷に着くと寝てしまい貴族の社交は見ないまま領地に着いてしまいました。


「レオン、見ろあれがユールヴェルの城だよ。」


お城です。なんだか見覚えがあるような。何で私がお城なんて見覚えが・・・。


浦安で見たのに似ていました。



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