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恋バナは世界を巡る。

女子は結構恋バナが好き。


外見は乳児。

中身は38歳。

あれっ、お母様同い年じゃネ!?


同じ年なのに、あまりの経験値の違いに愕然とする。


私に似ているジルベール様と婚約。

婚約者を亡くし、その弟と結婚。4児の母。尊敬しますリザベータ。

23歳で15歳のお父様と結婚したらしいです。


大卒1年目のOLが中学3年生と結婚。日本なら捕まっていますね。女性の方が。

青少年育成条例違反だっだかな。そこは、まぁこんな時代っぽいから。


でも、23歳ってお母様この時代ではかなりギリギリ?いや絶対行き遅れですよね。ジルベール様を亡くして適齢期を過ぎてしまったのでしょうか。


ここからは、メイド調べ。メイドの噂を耳ダンボにして聞きました。

リザベータ王女の婚約者だった4歳年上のジルベール様。

同じ年のルイ王子とは親友。貴族院では、それぞれの髪の色から銀の貴公子・金の貴公子と呼ばれ貴族どころか平民にまでファン?親衛隊?がいたほどの美丈夫。

「本当に私の母が言うには、見とれるほどの素敵な方だったらしいわ。」

「え!お館様より素敵な方だったの?」

「まぁ、あなたお館様推しなの?私はねラウール様推しよ。リザベータ様への愛情があふれてて、一途で羨ましいわ。あぁ、私も奥様みたいに殿方に愛されてみたいわぁ。」

「いや、無理でしょ。」「無理ってひどいわぁ。」


「でね、そのジルベールさまがね・・・。」


ふむふむ。


結婚まであと一か月という時に急な病でなくなってしまったそうだ。

王都中の女性が貴族・平民問わず涙に暮れたようだ。どんだけ。

しかし、結婚直前で婚約者をなくしたリザベータ様は、悲しみのあまりそのまま

15歳で修道院に入ってしまった。

初恋が忘れられないラウール様が、リザベータ王女を迎えに行ったのは7年後。

年が上で適齢期も過ぎているからと渋るお母様を結婚するなら貴女しかいない。

兄上と築くはずだった幸せな家庭を自分と作ってくれ、貴女を兄以上に愛して見せる。

兄より長い時をリザベータ様を愛して過ごす、と情熱的に口説き、最後には、この気持ちがリザベータ様に通じぬなら自分もその日のうちに修道院に入る!とまで脅したらしい。


情熱に負けたのですね。リザベータ。


その後は、おじい様やその頃の王(お母様のお父様)に直談判してリザベータ様としか結婚しない。できなければ侯爵家は弟に継がせろと駄々をこねて、いや熱く説き伏せた、と言うべきでしょうか。

王様も可愛い娘がそのまま修道院で過ごすのを忍びない、と思っておいでだったので許可は結構簡単に下りたらしい。


そして、15歳で成人した日に結婚。


館の中では、いや王都どころか国中で有名な恋バナだって。


「この間、お館様が仕事で行かれた隣国で~。」

ふむふむ

「王城の宴で吟遊詩人が、この恋物語を唄ったらしいのよ。」


おぉーーーーーー!


「隣の国の王様から~」

「ユールヴェル殿の国の唄らしいのだが、この詩のもとになったお話をご存じかな?お国では有名な恋物語なのですかな?」って聞かれて、

「息子の話ですなぁ。」

「って答えたお館様って素敵だよね。男らしい。」

って、おじい様推しのメイドさんがキャッキャと盛り上がっていた。

世間話のつもりで振ったら本人の話だった王様だって、困惑したよね。


おじい様は領地を治める傍ら外交官のような仕事もこなしているらしい。

行く先々の国で、息子の恋バナを唄にして聞かされたらたまらないだろう。


おじい様ご愁傷様です。


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