表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目的という名のバックと共に  作者: カナリア
1/1

目的のない日常

 小鳥のようで小鳥でないそんなアラームの音を聞きながら、僕は朝目覚めた。至って普通の変わらない一日が幕を開けようとしている。一つ違うこととすれば今日が「休日」であることくらい。

 そう今日は日曜日。昨日はあいにく用事が入ってしまったが、今日はゆっくりできるかな。8時に起きてベッドの中でゴロゴロしていたが、やることがない。そう人間ってもんは突然休みが来たって上手く過ごせる人は少ない。まあ、予定も立ててないし、立てる気もないんだけどね。だから、こうやってゴロゴロゴロゴロ…と転がっていく。

 時間がたったので、トーストでも焼いてみる。こんなにゆっくり噛みしめることなんて初めてだ。そして、バターの匂いが漂う。これがTHE 朝 って感じだな。きっと。そして、暇になったので家を出てみる。最寄りの電停から路電に揺られ、大きな駅に出た。間賀山駅だ。若干レトロな雰囲気も漂わせつつ、駅からは、最近建った大きな駅ビルがどーんと建っている。

 そういや、この駅ビル入ったことないな。入ってみるか。2階の駅直結の入り口から入り、まず目に入るのは美味しいと評判のパン屋さん。中でも、美味しいのはクロワッサン。サクサクなのにすっごく温かいあのクロワッサン。うめえんだよな。

 エスカレーターで3階に上がる。その時だ。エスカレーターの反対側に見覚えのある影が見えた。

女性だな。でも誰だっけな。まあ、エスカレーターの後ろ姿で人を特定するのは、難しいかな。

 3階には、大きな書店がある。岡芝書店という名前だ。創業者の坂出常雄という人が芝のある丘の上で本を読んでいる人を見て、自分もあういう日常を提供したいと思って、創業したらしい。素敵やな。

 ん、新作の小説か。「目的のない日常」? 作者も主人公の目的を知らない物語!?

なんだか、面白そうやな。買ってみるか。吹き抜けの横のベンチで書店の袋を開け、本を開く。


                     (ペラペラ…)            

                  あれ、全然書いてないぞ…


 そう、実はその本は彼自身の物語が書かれる本なのです。というストーリーを考えましたが、いつか設定が飽きそうであり、書かれたところで何も起こらない気がしたので、やめました。「目的」のあるストーリーというのは、主人公はその「目的」を果たすという目標がありますが、果たして、その目的がある人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。

 多分、少ないと思います。この本では、「目的」のない人生であっても人生が楽しめるということを伝えたいんです。


 この本を見た瞬間、自分と境遇が重なるなと感じた。僕に目的は今のところない。というか、「そう、実はその本は彼自身の物語が書かれる本なのです。」の後、何も書かれていなかったら自分のことだと思っていた。ただ、あの本と違って僕は「目的」を持った人生を送りたい。生きる目的がなければ自分が疑心暗鬼になってしまう。今まで散々なりかけた。僕は、そういう人間にはなりたくないんだ‼‼


 自分の名前は、的場証太まとばしょうた。今まで、ずっと普通な人間だった。普通の変わらない一日ばっかり送ってきた。ただ、これからは違う。面白いこと、楽しいこと、そして目的のあることをやっていく。

 

                     燃えてきたぜ!

 

 なんかこいつキャラ変わった?(焦)ま、いっか。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ