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五宝星の誓い  作者: エルデータ
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1、プロローグ

宜しくお願いします。

その日は突然訪れた。


現世界と異世界の軸がずれ、本来、重なるはずのない2世界が重なった。

異世界はよく言われるファンタジーの世界であった。 

中世時代風の鎧を付けた騎士たち、空を飛ぶドラゴン、海を泳ぐ海獣達、 

現代の武器は一切、何故か使用できなかった。 

蹂躙されていく現世界の人達。

滅亡の足音が聞こえてきた時、5本の光の柱が立ちあがり、眩い光が収まった時、 

世界は元の世界に戻っていた。

これは、世界を救った5名の男女の物語。



広い草原の真ん中に、直径10mはあろうかという大きな石畳の床が、突然、出現した。

その真ん中には、縦5m、横幅5m程の五角形の白い石碑が立っている。

中心から均等に、5ヵ所穴が開いており、何かのピースを埋めるようになっている。

一番上の穴は、太陽の形をしており、向かって順番に右側から、星の形、次は斜めにあけられているのは、風の様にも見える。次は三日月、月の形。最後は、四角の形だが、その場所だけは黒色に染められていた。


ふと、石碑の周りを見てみると、5名の男女が倒れていた。

死んでいるわけではない、どうやら息はしているようだが。


その内の一人が目を覚ました。

50代位の風貌だが、ウエットスーツを身にまとい、中肉中背。

引き締まった身体をしており、顔は日に焼けていた。


「ん、ここはどこだ」


少しづつ、ぼんやりとしていた意識が覚醒していく。


「確か、俺は、沈没船の探索をしていたのではなかったか」

「そうだ、確か、17世紀のスペインの船が見つかって・・」

そこで、ふと、周りを見回すと、周りは広い草原が広がっていた。


「ここは、どこだ?」

少しづつ、思い出してきた。

「そうだ、潜って調べていたら、海上で大きな音がして、洋上にでたら、俺の船はなく、見たこともない生物がいたんだ」

「10mはあろうかという魚だが、目が6個あって、開いた口はサメの様な鋭いギザギザ

の歯あって、確か、飲み込まれたような気がしたんだが・・」

「ここは死後の世界・・じゃないようだな、風も感じるし、草の匂いもするよな」


俺の名前は、海斗修(カイト シュウ)、トレジャーハンターをやっている。

トレジャーハンターってなにかって、宝さがしの事さ。

よく言えば、夢に向かって冒険している冒険者、悪く言えば、墓荒らしみたいなもんだ。

他人の墓を見つけて暴いたり、沈没船を見つけて、お宝を探したりする何でも屋みたいなもんだな。

俺が、なぜ、トレジャーハンターやるようになったかというと、

30歳までは、普通の海運会社の社員だったんだぜ。

運航していた貨物船が、海賊に襲われたんだ、その時、ちょうど俺も乗り合わせていたんだけど、

こりゃ本当にやばいと思ったけど、その時助けてくれたのが、トレジャーハンターだった日本人だよ。助けてくれた後で、

トレジャーハンターってどうって聞いた時の言葉が俺の背中を押したんだ。


「まだ知らない世界のお宝を一番に拝めるだぜ」


それと眩いばかりの力強さにもあこがれたもんだ。

今考えると、若気の至りってことかな、まあ、その時は、閉塞感に息が詰まりそうになってたしな。後悔はしていないよ。その師匠も3年前に、事故で他界したけどな。


「しかし、ここどこだ」


そうこうしているうちに、周りで倒れていた4人も気が付いたようだ。


まず、カップルらしき20代の男女が、次に、制服をきている高校生位の2人の女の子が起きあがった。


「え、ここ、どこ?」

10代の女の子が呟くと、横にいたもう一人の女の子が、

「シャル、大丈夫?私たち確か、崩壊したビルの下敷きになったんじゃなかったかしら?」

その娘たちをよく見ると、眼は青色をしており、顔は瓜二つで、双子の様だ。

多分、10人見れば、10人とも振り返る容姿をしていた。但し、シャルと呼んだ女の子はショートカットだが、もう一人は、腰まで長く髪を伸ばしていた。


もう一組のカップも、周りをキョロキョロと見まわしている。


「タダオ、ここどこ?」

髪はセミロング、155cm位の可愛らしい女性だ。

呼ばれた男は、身長180cm位で、がっしりとした身体つきをしており、髪は短髪。

だけど、優しそうな眼をしている。

「カズ、大丈夫かい? でも、俺たち飛行機に乗っていたよね、急に雷の音が鳴ったかと思うと、

外を見たら・・あれ、多分、龍、いや、ドラゴンだったような気がする」

「そいつが火を噴いて、いや、あとは覚えてないや」

「でも、ここ、本当に、どこ?」


すると、真ん中の石碑の上が眩く光だし、皆、眼を開けていられなくなった。

光が収まり、眼を開けると、そこには、10歳位の子供がいた。

髪は短く、服は、中世ローマの人達が着るような、1枚布を身体に巻き付けている。

髪の色は赤く、眼の色は青い。ただ、顔には疲労の色が浮かびあがっている。


少年は、5人に向けて話しかけた。

だが、その声色は、老人の様なしわがれた声だった。 


「テラから来た異界の人よ、どうか、この世界“ソル”を救って欲しい」



読んで頂き、有難うございます。

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