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第九話 タコなのかイカなのか、それが問題だ。

2016/5/16 修正

「なに!」



 衝撃の一言に令二は一瞬大声をあげてしまう。



「どうした小僧?」



「……ああ、実は……」



 令二は先ほどのアークが言っていた内容をケブラにこっそり伝えるのであった。



「この土砂の下に捕まえた魔物と同じ魔物が反対方向に現れた。里の非戦闘員をそれとなく非難させてくれ……くれぐれも内密にな。変に恐怖を植え付けてパニックを起こしたくない……」



「なんだと! ……だが小僧、なぜ二体いるとわかった?」



 ケブラはとても驚いたがすぐに冷静になって、令二に耳を傾けた。



「なんとなくだがわかるんだ……理由は言えないがとにかくいるのは間違いない。」



「お前のおかげで無事一匹を仕留められたんだ、その言葉……信じよう。里の皆は俺がすぐに避難させる。俺もすぐに行くつもりが、場所はわかるか?」



「反対側の崖あたりだ。こっちに一体来たから、あちらには俺も注意を払っていなかった。」



「よし、非難を終えたらすぐにそちらに向かう。小僧は一人で大丈夫か?」



「……ああ、大丈夫だ。」






「ふう、何とかごまかせたな……アークのことを知られるとなんだか面倒だからな……さて、MPはどうなっている?」



 ケブラたちから離れた令二は、そうつぶやくとアークを開いて表紙のステータス欄を確認した。



――――――――――――


 Lv 15


 HP 215/370

 MP 270/560


 EXP 2021

 NEXT 479


 ATK 100

 DEF 55

 AGL 104

 DEX 60

 INT 75


 《魔法属性》 無

 《魔法》 虹色魔法レインボー・マジック Lv2(1/2)

      プロテクション Lv3

      フォービドン Lv2

      ディバインド Lv2

      ガーディアン Lv2

 《スキル》 格闘 Lv3

       剣術 Lv2


 《所持金》 150G


 《装備品》 

 ・《武器》 エリューブ・ソード

 ・《上防具》 革の服

 ・《下防具》 革のズボン

 ・《装飾品》 力の指輪


 《ギルドランク》 D


――――――――――――



「なっ!」



 令二は以前に確認したレベルから、5も上がっていることに気が付いた。



「これが《クラーケン》の経験値か・・・1000EXP近くもらえたぞ・・・」



 そして、令二が一番驚いたのは・・・



虹色魔法レインボー・マジック Lv2(1/2)』



「ついに解放されたか……解放の条件はレベル15ってとこか。これだけレベルが上がるんなら願ったりだ。さっきのであの魔物を倒したとは思っていなかったけど、全開で《ディバインド》を使えば意外に簡単に倒せることがわかったのは収穫だな。」



 そう言うと本を閉じ、もう一体のクラーケンの元へ走って行くのだった。





 令二は初めの街で買いそろえた《メンタル・ポーション》でMPを回復させると、《フォービドン》と《メガ・プロテクション》を使用しながら走って、クラーケンが接近するであろう場所で待機していた。



 そしてしばらくすると、クラーケンが令二の視界に入ってきた。どうやらまだ水中にはもぐっていないらしい。



「なんだあれ?クラーケンなのか?さっきの奴は水中をもぐってて良く見えなかったけど……こいつイカじゃねえか。クラーケンはタコじゃなかったか?」



 遠くに見えるのはどう見てもイカ……クラーケンは確か北欧神話などで見かけるタコだったはず……断じてイカではない。



「というかさすがに俺一人じゃ勝てそうにないな、あのでかさ。さっき埋めたやつよりもでかいかも……」



「マスター、先ほどとらえたクラーケンは全長約57メートル、現在接近中のクラーケンは全長78メートルです。」



「そういう情報はありがたいんだが……気がそがれるな……」



「……マスターとの距離、100メートルです。」



「里の応援は期待できそうにねえな。とりあえず足止めに専念する。」



「了解……対処方法……検索……でました。《フォービドン》を使用し、クラーケンの移動速度を低下させるのが良いかと推測します。」



「俺と同じ考えだ。いくぞ……()はやぶさ、疾風のごとく駆ける馬なり……

流転るてんし、ことわりを指し示せ!」



 魔力の玉がクラーケンにぶつかる。



 どうやら奇襲は成功したようだ。だが……



「グウオオオオ!」



 ダメージをくらったクラーケンが雄たけびをあげると令二はその瞬間目がかすんで、倒れそうになった。



「ガハッ!なんだ……」



 令二はその場に膝をつく。全身から力が抜け、痛みが走る……まるで気を失わないギリギリの電気を常に流されているような痛みだ。



「ただいまのマスターの受けた魔法を検索しています……出ました。呪縛魔法カース・マジック《グラン・スペルバインド》が発動しました。」



「グアッ! ハァハァ、……カースマジック?」



 聞きなれない単語に令二は質問する。


 いつもならそう言う言葉には敏感に反応して、子供の用にワクワクして目を輝かせるのだが、今はそうは言っていられない。



「はい、現在の状態での戦闘は危険です。戦闘勝利確率が7%となりました……」



「ハァハァ、こうして立ちあがるのもやっとだよ……ようやく奴の怖さがわかったよ。負傷した人が治りにくいのも納得だ……これが魔物の奇怪な術ってやつか。」



「クラーケンがこちらに接近してきます。早急に退避してください。」



「ああ、わかった……」



 令二は負傷しながらも即座に崖の裏に退避した。











「よし、避難は完了したか・・・」



 ケブラが里の忍者にそれを確認する。



「はっ、非戦闘員は全員避難完了いたしました!」



「父上、あちらにもう一体魔物がいるとは真でござるか!」



 ルナが急いでケブラのもとに来てそう言った。



「ああ、小僧が言うにはあっちの崖だ。まっすぐ里に向かっていらしい。今、小僧が偵察に行っている・・・護衛を残してすぐに向かうぞ!」



「「はい!」」



 ケブラの指示でクラーケンを倒したことを里の皆に打ち明け、

もう一体のクラーケンのことを口外せずに住民を避難させていた。



(レイジ殿・・・くれぐれも無理はしないでくだされ・・・)



 ルナたち戦闘員は令二の言った崖のところまで向かった・・・



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