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第八十話 ボスっぽいのがご登場~~

 令二は塔の最上階の門を開けた……


 ………………


 ………………


「……奥に何かいる……」

 令二がそうつぶやく……すると……




「グオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!」


 魔物の雄たけびだ……奥からその魔物が姿を現す。


「グルルルルッッ!!」


 赤黒い……角は黄土色で魔物にもかかわらず、片手で大剣を持っている……


「《グール・ミノタウロス》……」


 令二は知っていた……その姿をとある町の魔物図鑑で見たのだった……その化け物を、その怪物を……


「《グール・ミノタウロス》だって! 冗談じゃないよ! なんでそんな危険生物がここに!」


 サリーは動揺を隠せないようだ……

それもそのはず、なぜならこの化け物は一体で街一つを壊滅状態に追いやったことがあるからだ。


 しかし、令二はすぐに冷静になり、腰の《クリムゾン・セイバー》を抜き、チユを背中に体勢をたてる。


「チユ、ここに隠れていろよ!」


「うーん、がんばってー。ご主人様ー」


 《グール・ミノタウロス》はその大きな剣を振り上げ、真っ先に令二に向かって斬りつけた。


「赤!」


 《グール・ミノタウロス》の攻撃は令二の《メガ・プロテクション》により、はじき返される。

しかし、令二は今までのダンジョンで魔力を使いすぎていて、効力はもう5分程しか持たない。


「サリー、足を集中的にねらえ! 俺がその間、おとりになる!」


 令二は声を上げ、いまだ驚きをあらわにしている彼女を呼ぶ。


「……わ、わかった!」


 サリーは返事をすると、すぐに《グール・ミノタウロス》の懐に入り込み斬りつける。


「こっちだ!」


 令二は部屋の奥に入り込み《グール・ミノタウロス》の攻撃を引き付ける。


「グオオオオオオ!」


 《グール・ミノタウロス》の重い剣撃……重いにもかかわらず、それでいて素早い。いくらサリーが足に集中攻撃しているとはいえ、彼女の攻撃ではあまりダメージが与えられていないようだ。


 そして、残りのMP残量は88……他の《虹色魔法レインボー・マジック》を発動するならこれ以上、《メガ・プロテクション》を使うわけにはいかない……


「……はあ、はあ、はあ…………予想以上にきついな……こんなことになるんなら実験なんてするんじゃなかったな!」


 令二はそう言って、《グール・ミノタウロス》の大剣をはじく。


「いまだ! サリー!」


「はあああああ!」


 令二が合図をすると、それまで懐で足を攻撃していたサリーが首の根元にレイピアで攻撃をする。


「ガオオオオオオ!」


 攻撃は効いているようだ……と思った瞬間……


「ガアアアアア!」


「ぐわああ!」


 サリーは《グール・ミノタウロス》の倒れ際の反撃により吹き飛ばされ、《グール・ミノタウロス》の背中に何かが浮かび上がった……


「サリー!!」


 令二は《グール・ミノタウロス》の様子の変化に動揺する。


「おいおい…………ウソだろ……」


「グオオオオオ!」


 それは魔法陣……それもこの結界を……この迷宮を作っているものと同じ術式で書かれた物であった。


「やばい……チユ!」


 《グール・ミノタウロス》は明らかにチユを標的にしている……入り口の門の前に身を潜めているチユ……彼女がそれをぼーっと眺めているようだが、その態度の裏には恐怖があることに令二はわかっていた……令二のおとりがなくなったことで、その怒りの矛先がチユに向かったのだ……


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