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第六十四話 追っかけっ子は外でやろう

 ルナたち三人はオロブの依頼を受け、獣人である二人組の捜索を始めていたのだが……


「クエストを受けたのはいいんだけど、これと言って手掛かりが見つからないわね……」

 ミリーはため息をつきながらそんなことを言っていた。


「……もうこの街にはいないかもしれないわね。」


 メリルがそんなミリーに話しかける。

ミリーとメリルはルナたちと別れて情報収集に回っているのだ。


「でも、あのオロブって人はこの街の外に出るためには門をくぐらないといけないって言ってるし……」


「まあ、あの高さの壁を登るのは獣人でも無理でしょうね……」

 メリルがミリーのその言葉に対してどうやら同意したようだ。


「……となるとやっぱりこの街のどこかに隠れてるってことよね……」


「この街の領主でも探し出せないとなると……」


「……わからないわ……とにかく、聞き込みをしますしょ。」


「そうしましょう。」


 ミリーとメリルがそのようなことを話していると、ミリーは怪しい人影を見つけた。


「あ! 逃げたわ!」


 ミリーたちはその怪しい人影を追いかけて行った。


 ――――――――――――


「……はあ……はあ……どこ行ったの?」


 ミリーは人影を追いかけた後、街の路地裏で追い付けずに息を切らしていた。


「ミリー、あっちよ!」


 メリルが見失った人影の方向に向かって叫ぶ。ミリーはその言葉に応じてその人影をさらに長い時間追いかけていくのであった。


 ――――――――――――


 ……その頃……ルナたちはというと……


「泥棒だ~!」


 商人の体つきのいい男が叫んでいた。

すると、黒マントを着た人影が街路地の人ごみをよけながら走り抜けていった。


「レイ、行くでござる!」


「はい、姉上!」


 ルナとレイもまた、怪しい人影を追って行くのであった……


 ――――――――――――


「……はあ、はあ、まだ追ってくるにゃ……」


 ルナとレイに追いかけられている人影は必死に逃げている。

その速度は魔物を思わせるほどの速さである……が、ルナとレイは忍者である。

その速度に追い付くまでの時間はあまり長くはなかった。


「おかくごを!」


 ついにレイが追い付いたようで黒いローブを捕獲しようとする。

むろん、人影はそれを避けようとするが、ルナに先回りをされていた。


 人影はあっさりと路地で囲まれてしまった……


「か、囲まれたにゃ……」


「さあ、カンニンするでござる……おぬしが宝物庫から宝石を盗んだ犯人でござるな?」


「な、なんのことにゃ――――――――――――」


「嘘を言ったって無駄ですよ、そのフード、獣耳がありますね……目撃情報に一致しています。」


「何言っているかわからにゃいけど、こ、この食べ物は渡さないにゃ!」


 黒いローブを着た獣人は抱えている食料をしっかりと持っている。


「これでも喰らうにゃ!」


 獣人は来ていたローブをそのままルナに投げつけた。


「こっちのチビッ子にゃら!」


 獣人はそのままレイに襲い掛かる。


「ぐ、うにゃ!」


 次の瞬間、獣人の視界は闇に包まれたのであった……


 ――――――――――――


 その頃、ミリー側では……


「……お手上げ……」


「あら、やっと観念したのね。」


 ミリーを追いかけていた人影は行き止まりで追い付かれたと思ったらいきなり降参してきた。


「ミリー、気をつけなさい、罠よ。」


「え、そうなの?」


 ミリーがキョトンとしていると、人影はそのまま壁を伝って逃げようとしている。


「あ!」


「ほら、だから言ったのに!」


「……人間はバカばかり……」


 メリルがそんなことを注意していると、上から木材が降ってきた。

その木材はミリーめがけて落ちてきた。


「キャ~~~!」


 人影はそのまま逃げて行ったのだった……



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