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第六十一話 二度あることは三度ある

これは三度目だろうか……

令二は金髪の幼女を見てそんなことを思っていた。


「はあ………………」


「何よ! そんなにため息をついちゃって! そんなに私に会いたくなかったわけ!」

 ネピュルは令二のその態度がお気に召さないようで怒っていた。


「……面倒くさい。」


「……く、相変わらずね……」


「さっさと要件を話せ。」

 令二はいつものようにネピュルに接する。


「……えらそうに…………あなた、回復魔術ヒーラーを手に入れたんでしょ?」


「ああ、そうだ。」


「なんでそんなことになってるのよ……まあ、いいわ。でも、まだ魔導書を読んでいないのよね。」


「ああ、擬人化のせいで、読むことができない。」


「ん、どうすればいいか聞きたいって顔してるわね。聞きたい?ねえ、聞きたい? あなたがどーしても聞きたいって言うなら――――――――――――」


「また、あれをやられたいようだな。」


「え! ま、前ので許してくれたんじゃ……」


「前は前だ。今のとは関係ない。」


「そんな……あれだけは……どうか、あれだけは……」


「いやだ。一度やらないとお前は反抗してくるからな……」


「鬼~~~~~!」


 ――――――――――――


「ようやく謝る気になったか……」


「……申し訳ありませんでした。」

 ネピュルはそう言って土下座をした。 


「……10点……まあ、今回はいいだろう。」


「……ぐす、鬼……」


「何か言ったか?」


「い、いえ、何も!」

 ネピュルは慌てて否定する。


「それで、どうやったらチユを読むことができる……」


「チユ……ああ、名前ね。それは回復魔術ヒーラーと契約するのよ。」


「契約……どんなのだ?」


「契約魔法というのがあるのだけど……召喚魔法サモン・マジックで呼び出した魔物とかにする奴。」


「……アークとやった時にはその必要はなかったが?」


「それはそれよ。契約魔法は製作途中で終わった『基本魔術ソーサリー』以外、全ての魔導書に施してあるのよ。」


「アークは製作途中だったのか……まあ、あいつはどうも礼儀正しすぎるというか……メリルやチユには人間らしい心みたいなのがあるからな……」


「まあ、そういうことなのよ。」


「で?どうやったら契約できる?」


「気が向いたら向こうから持ち掛けてくるわ。でも、『回復魔術ヒーラー』は今まで誰とも契約したことがないのよ……」


「……契約はできなさそうだな……」


「まあ、あの子はのんびり屋さんだしね。」


「………………」

 そんなことを言うネピュルに令二はずっと視線を向けている。


「な、なによ。」


「………………」


「な、なんとか言いなさいよ!」


「……いいや、お前がまるで女みたいな顔をしているのを見ていてムカついていた。」


「な、ななななななな……」


「ば、ばか!」

 ネピュルはなぜだか顔を赤くして令二に怒った。


「バカではない……用が済んだらさっさと俺の夢から去れ。」

 令二はそんなネピュルを軽くあしらう。


「な、なによ……もうちょっと構ってくれてもいいのに……」

 ネピュルがなにやら小言でブツブツ言っている。


「なにか、言ったか?」


「な、なんでもないわよ!」


 その後、令二とネピュルのケンカ(イジメ)が二時間ほど続いたが、令二は最後には寝てしまって、ネピュルはスゴスゴ令二の夢から去って行ったのだった。

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