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第五十四話 あっと驚き研究資料!

 それは令二が屋敷内でのエミリアとの話し合いの時……


 ――――――――――――


「それで……その魔導書とやらの手掛かりを探しておるのか……」


「いや、それもあるが仲間との再会が最優先だ。」


 二人は仲良くなっていた。二人は魔法を研究する者同士、かなり馬が合ったのだ。


「ふむ、貴様のその仲間とやらはどこにいるのだ?」


 令二は少し考えてから口を開く。




「……人間の大陸、バクデース大陸の最南端だ……」




 ――――――――――――



「……人間の大陸か……」


「な、無理だろ?だから俺一人で行く。」


 この言葉を言う前に令二は考えた。

この友人=獣人=奴隷として買われた獣人 と考えられることは想定済みなのだ。


「……そうか、妾は今、貴様を止めるところであった。」


「そういうことだ。だから、あんたらの力は借りない。」


「……あいわかった。だが、その魔導書とやら……

妾の研究資料の中に似たような代物が載っておったな……」


「……これ以上、情報を売るつもりはないぞ。」


「……そうか、ならば最後に先ほどの情報に見合った分の願いをかなえてやろう。」


「……ああ、なら……」


 ――――――――――――


「アーク、記録してあるよな?」


「はい、マスター。」


 令二は城を去った後、アークにそう確認をとった。


「王女モドキの研究資料についての情報は載っているか?」


「……検索……でました。はい、現在、獣人が保有する研究資料の約80%が記録されております。」


「よし、それを一度宿に戻ったら研究する。」


「かしこまりました、マスター。」


(よし、これで王女モドキの研究資料は全てもらった……)


 説明しておくとこれは盗難ではない。ましてや無断による情報の盗難でもない。ちょこっとだけエミリアに彼女の屋敷の研究室に入らせてもらっただけだ。もちろん研究資料は見る暇もなかったし、資料全般は、パ-ニャに研究所に入る前にどけてもらった。


 エミリアはアークの《マップ自動インストール》機能を知らないだけで……


 そう、令二は《マップ自動インストール》の機能を使い、研究所での情報を得たのだ。


 これがグレーゾーンまたは黒であることを考えもしない令二は宿に戻り研究を始めるのだった。


 ――――――――――――


「……これは……驚きだな……これ以外の研究資料は全くの役立たずだけど……」


「この資料は『回復魔術ヒーラー』の魔導書についての資料と思われます。」


 宿に到着し、資料を見て驚いてる令二に対してアークが解説する。


「『回復魔術ヒーラー』の魔導書……か。回復魔法ヒール・マジックの魔導書だよな……でも、そもそも回復魔法ヒール・マジックはそんなに珍しい魔法でもないよな。ルナやレイも使えるし、ほかの冒険者を見ても半分以上は使えるもんな。」


「はい。回復魔法ヒール・マジックは無属性であり、日常生活で使用することが多いため、他の種類の魔法より使用するものは多いです。」


「……そうなると、あんまりその魔導書に興味がわかないんだが……」

 アークのその言葉を聞いて令二はがっくりくる。


「しかし、マスターはいまだ回復魔法ヒール・マジックを使用することはできません。」


「まあ……そうだけど。」


「この研究資料には魔導書にのみ掲載されていた魔法が存在すると記録されております。」


「……それは文字入力インストールできるか?」


「……いいえ。しかし、呪文の内容は記録されております。魔法陣の載っている魔導書の本体が存在すると推測される場所がマップに記載されております。」


「……魔導書にのみ掲載されていた魔法……なんだか無償に手に入れたくなってきたな。研究し甲斐がありそうだ。でもそんなところまでわかってるなら獣王の国はとっくに手に入れているはずだが……」


「……その魔法陣は《グダベラ》と呼ばれる街から西へ4キロ、ダンジョンと呼ばれる洞窟に存在していると記録されれおります。国軍はその洞窟に存在する魔物を討伐することが不可能であったと記録されております。」


「《グダベラ》か……ここからどのぐらいで着く?」


「……検索……でました。現時点から南西へ62キロです。」


「……よし、旅の経路にはそれていないな。次の目的地は《グダベラ》にしよう。」


「かしこまりました、マスター。」


 こうして令二は魔法の研究をするべく、ダンジョンの巣窟《グダベラ》へ向かうのだった。

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