第五十三話 獣は香りをたどってくる……
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今日は一話追加します。
令二とエミリア、傲慢な二人の話し合いは終わり、ベイルが迎えに来ていた。
「黒猫殿、お迎えに上がりました。」
「ふふ、貴様との対話、なかなか有意義であったぞ。」
エミリアが令二に話しかける。
「……俺もだ。」
令二はエミリアのその言葉に同感した。
「陛下との話はいかがでしたでしょうか?」
迎えに来たベイルはそんな風に尋ねた。
「どの口が言っている……あれは明らかに無理知恵だったぞ……」
「……申し訳ありません、なにぶん、仕事なものですから。」
そういってベイルは《エリューブ・ソード》を令二に手渡す。
「いや、いい。ここから宿までの道はわかる。」
令二はそれを受け取ると、迎えを断る。
「……かしこまりました、またのお越しをお待ちしております。」
「……手荒な真似をしないならまた来よう……」
令二はそんな言葉を吐き捨てて、屋敷から去って行った。
(……あの王女モドキとは割と有意義な話し合いができたな……)
エミリアのことをそんな風に気にした令二であった。
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(マスター。)
(ああ、気付いている。つけてきているな……)
(はい。先ほどの者かと……)
令二が屋敷を離れて宿へ向かおうとしていると、ベイルが尾行していることに気づいた。
(あの王女モドキはどうしても俺を下につけようとしていたからな……そうするとは思った。)
(いかがされますか、マスター。)
(このまま撒いて、ほかの宿に泊まる。)
(かしこまりました、マスター。)
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その後、令二は魔法、スキルを駆使して何とかベイルの尾行をまいたのであった。
「はあ~、あいつ……しつこかったな……」
「どうやら、彼はマスターを匂いで感知していたようです。」
「ああ、《変身》で匂いを変えたら途端についてこなくなったもんな。」
令二は宿で部屋を借り、無事に寝床にありついたのだった。
ちなみに今の令二の髪と耳、尻尾は真っ白である。スケッチする暇がなかったので、黒を白に変えているだけなのだ。言うなれば、今の令二は白猫と言うべきか……
《変身》のスキルはその名の通り体そのものを変えることができる。だから匂いも見た目も、声まで変更することが可能なのだ。
「俺ってそんなに匂ってるかな? ……あの王女モドキの部下は優秀だな……あのお付の奴……パーニャだっけか……そういえば、なんで俺の藍色の魔法が効かなかったんだ? わかるか、アーク。」
「はい、検索します。……記録解析……検索……でました。……獣人には元々魔法を使う者が少ないため、魔力がないとのことです。」
「……なるほど、MPつまり魔力がないってことはそもそも《グラン・スペルバインド》の状態異常を受けないってことか……納得。……ん? じゃあ、なんで魔法を使える奴がいるんだ?」
「獣人は体力を魔力に変換している……と、記録されております。」
「体力を……か……獣人の体の構造は奥が深いんだな……まあ、俺は魔術にしか興味はないけどな…………よし、明日になったら目的地へすぐに出かけるぞ。目的地の詮索は完了しているな?」
「はい、マスター。」
そして、令二はすでに目的地を決めていたのだった。
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レイジ・アマノ
Lv 63
HP 1840/1840
MP 2400/2490
EXP 41730
NEXT 2670
ATK 320
DEF 247
AGL 310
DEX 239
INT 260
《魔法属性》 火、土
《魔法》 虹色魔法 Lv5(3/5)
プロテクション Lv3
ファイア・ボール Lv3
アース・クラッシュ Lv3
フォービドン Lv3
ディバインド Lv3
ガーディアン Lv3
スピリット・オーラ Lv3
フォトン・エンチャント Lv3
《スキル》 格闘 Lv3
剣術 Lv3
思念体 Lv1
変身 Lv2
無詠唱 Lv1
《所持金》 1024650G
《装備品》
・《武器》 エリューブ・ソード
・《上防具》 グラディ・クロス
・《下防具》 グラディ・トラウザーズ
・《装飾品》 剛力の指輪
《ギルドランク》 B
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