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第四十二話 ないのだろうか?……いや、きっとあるはずだ。

 令二は、何が起こったのか……理解できていなかった。


 令二は、知らなかった。


 令二は、気付いていなかった。


 魔法は……神秘……などではないことに……


 ――――――――――――


「……これじゃない。」


「はい、次の本よ。」


「ああ、ありがとう、ミリー。」


 令二はミリーと仲直り? をした後、ずっと本を読んでいたのだった。


「ねえ、探し物は見つかった?」


「いや……一向に見つからない。」


「どんなものを調べているかは……言えないのよね。」


「ああ、悪いがルナやレイにも言っていない。

こればかりは俺の問題だし、俺がやらないといけないんだ。」


「……そう。でも……これだけ読んでも見つからないとなると……ないかもしれないわね。」

ミリーは令二の近くに積まれている本の塔を見上げていた。


「いや、きっと、あるはずだ。次……」


「はい、どうぞ。……それにしても本を読むの速いわね……私と話しがらなのに……」


「こういうものは慣れなんだ。要点だけ抑えれば大体の本の内容は理解できる。」


「そんなものかしら?」


「そういうものなんだ。おっ……」


「もしかして、あった?」


「ああ、あった。俺が探していたのはこれだ……」


 令二はついに召喚魔法の本を見つけたのだった。


 ――――――――――――


 令二は昼に宿に戻り、部屋でアークに話しかけた。


「よし、アーク。さっきの魔法、インストールされてるな?」


「……はい。魔法陣はこちらになります。」


「……よし。これより、この魔方陣を使い、召喚魔法サモン・マジック、《スピリチュアル・サモン》を文字入力インストールする……」


「はい、かしこまりました。マスター。」


「いくぞ…………()とびら、古の法にしたがいて…………あれ?そう言えば、俺……光属性の魔法、使えないじゃん。」


「はい、その通りです。マスター。」


「いや、先に教えろよ……」


「申し訳ありません。マスターのご命令になかったもので……」


「はあ……まあ、いいか。じゃあ次は、これらの魔法陣を全て、解析しよう……」


 令二は召喚魔法サモン・マジックが光属性だと忘れていたことを気にもせず、召喚魔法の研究を続けるのだった……


 そして……令二は……


 これから思いもよらない事態が

起こることを全く予想していなかったのだ。


 ――――――――――――


「あれ?レイジ殿はどこに行ったでござるか?」


「うん、レイジ様はさっき図書館で調べ物が見つかってからずっと部屋にこもりっきりなのよ……」


「レイジさん、この頃、私との付き合いが悪い気がします……」


「レイ、何を言っているでござるか……それを言うなら拙者だって……」


「私はそうでもないわよ?」


「……以前にも姉上にうかがいましたけど……ミリーさん、レイジさんは一体、何者なのでしょうか?ミリーさんなら何か……」


「…………わからないわ。」


(……きっとこの二人を、巻き込みたくないのね。それに……レイジはどうも私とは違う何かを背負っている気がする。……わからないのは私も同じ……)


「でも、レイジ殿は……」


「……でも気になります。レイジさんがどんな人でも私は態度を変えません。

それでも仲間である私たちに何をしているかぐらいは話してくれてもいい気がします。」


(まあ、それには賛成だけど……)


「レイちゃん、レイジ様にも何かあると思うわよ。私が図書館でレイジ様に調べ物のことを聞いたとき、『これは自分でするべきこと』だって言ったいたもの。」


「……そうですか……」


「………………」


 三人は何も言えないようで、しばらく沈黙が続いていた。


 すると…………





 ドガァァァァァン!





「な、なんでござるか……今の爆発は!」


「レ、レイジさんの部屋のほうです!」


「ちょ、ちょっと、待ってよ!」


 三人は令二の部屋に走って行った……


 ――――――――――――


「こ、これ……どういうことですか?」


「レ、レイジ殿は……」

 ルナとレイは部屋の床が焼け焦げているのに驚いた。

ミリーはそれを見て……


「……魔力の痕跡こんせき……ここで今、魔法が使われた証拠よ……」


「レ、レイジさんは……一体どこに?」


「……爆発はあったみたいだけど、死体もなにもないし……

それに……この魔方陣……見たことがないわね。」


「そ、そんな……」


 天野あまの 令二れいじは、異世界に来て約一か月後、


 古都《ワールヴ》より、召喚魔法の研究の最中、謎の爆発によって、


 突如として姿を消したのであった・・・

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