第三十話 お前は……………………
白いローブから出てきた顔は短髪に茶色の髪、耳が長いものだった。
(もしかして……ファンタジーでよく聞くエルフか?)
令二はそんなことを考えると……
「お前は……誰だ?」
そんなことを口にしていた。
「そんな質問に答える義理はないわ。私の名前はミリー・プリメイラ。」
(いや、答えてるんじゃん。というかこいつ、魔力を抑えることができたのか。
なんで尾行するときに魔力を消していなかったんだ?・・・まさか、わざと気付かれるように……)
「というより、なんでわかったの?私の尾行は完ぺきだったはずよ?」
(……前言撤回。こいつただのドジだ……)
「そんなことはどうでもいい……どうしてつけてきた?」
「……人の質問には先に答えるものよ。それはあなたの持ってる魔導書が目的よ。」
(いや、答えてるんじゃん。……ん?)
令二は彼女の言った単語に引っかかる。
「あんた、なんで俺の魔導書のことを知ってる?」
「さあ、自分で考えたら?それは私が『四大魔術』の魔導書使いだからよ。」
(また答えてるし。……だが……魔導書使いとはどういうことだ?)
(……検索……でました。彼女は通称、『四大魔術』の魔導書を所持しているかと推測されます。)
(あのガキの言っていた他の魔導書か……)
令二は夢の中に出てきた金髪の幼女のことを思い出した。
「……で、何の用だ?」
「もちろん私はあなたの魔導書を貰い受けに来たのよ……殺してね。」
(それで尾行をしていたのか……あのかわいそうなガキの言ってたことはこういうことか……)
「渡すつもりはないし、殺されるつもりもない……」
「そうはいかないわよ。さっきの戦闘でかなり弱ってるんでしょ、MPもその様子じゃほとんどないみたいだし……レイジ・アマノ?」
(調査済みってことか。というかMPのことも知っているんだな。魔導書が使える奴は全員そうなのか?)
(検索……でました。はい、その通りです。)
令二の質問にすぐにアークが返事をする。
令二の予想通り、ミリーと名乗る彼女もどうやらステータスの概念があるようだ。
(そうか……まあ、MPの残量は半分以上あるし、あいつの予想は全然当たってないけど……そんなに疲れてないし……問題ないな。)
「五分経過したみたいだな。………………赤色……」
令二は効力の切れた《メガ・プロテクション》を再び自身にかけなおす。
(三重で魔法をかけるのはあんまりやりたくないんだが……)
「……其は隼、疾風のごとく駆ける馬なり……」
令二はまだ持続している《スピリット・オーラ》に《メガ・プロテクション》を加え、さらに自身に《フォービドン》をかける。
「……其は火、其は水、其は風、其は土……霊子は汝に従属せし者なり……森羅万象は……」
令二が魔法を発動した後、ミリーがなにやら詠唱している。
しかし、どうやら彼女は詠唱に集中していて令二のことを気にしていない。
(呪文が長い……上級魔法以上か……)
(……逃げるが勝ちだな……)
「……藍色……」
令二はすかさず彼女の後ろに回り込み、詠唱中の彼女に呪いをかけた。
「キャアアアア!」
ミリーが呪いを受けたことにきずいたのか、倒れた。
「ずっとそこで苦しんでろ……」
令二は三重の強化をした体ですばやくその場を去って行った。
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(あいつがドジでよかった……)
令二は強化した体で高速で走り、街へと到着していた。
(あんな洞窟で上級以上の魔法を使うとか何考えてるんだ?
……今頃は慌てふためいているか、自分の魔法で自滅してるだろうな……)
「よし、ギルドに報告したら、集合場所の店に行くか……」
そうして令二はギルドへ歩いて行った。
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「してやられた!」
そのような声が洞窟に響く……
「だから言ったじゃない、ミリー。あいつには勝てないって……」
その声に何かが応答している。
「でもでも、あいつの本は一番弱いって……」
「確かに言ったけど、本の持ち主が強いわ。オーク・ジェネラルを倒した後も体力と魔力を温存してたし……あんたの尾行がバレバレだったせいね……」
「私が悪いっていうの!言われた通り、足音はたてずにこっそりと……」
「……もういいわ。とにかく、あいつには勝てないの。あきらめなさい。」
「でも……」
洞窟で二つの声が響き渡っていた……
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レイジ・アマノ
Lv 43
HP 721/950
MP 410/1310
EXP 15580
NEXT 1020
ATK 270
DEF 169
AGL 272
DEX 186
INT 201
《魔法属性》 火、土
《魔法》 虹色魔法 Lv3(2/3)
プロテクション Lv3
ファイア・ボール Lv2
アース・クラッシュ Lv3
フォービドン Lv3
ディバインド Lv3
ガーディアン Lv3
スピリット・オーラ Lv2
フォトン・エンチャント Lv1
《スキル》 格闘 Lv3
剣術 Lv3
思念体 Lv1
《所持金》 539050G
《装備品》
・《武器》 エリューブ・ソード
・《上防具》 グラディ・クロス
・《下防具》 グラディ・トラウザーズ
・《装飾品》 剛力の指輪
《ギルドランク》 C
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ルナテディウス・アルヴェイ
Lv 34
HP 700/700
MP 200/200
EXP 10049
NEXT 731
ATK 204
DEF 95
AGL 137
DEX 140
INT 182
《魔法属性》 水、風
《魔法》 アクア・スプラッシュ Lv3
ソウルウィンド Lv3
アクア・ドール Lv2
ゲイル・カッター Lv2
ヒール Lv2
《スキル》 格闘 Lv3
剣術 Lv3
毒調合 Lv1
《所持金》 495650G
《装備品》
・《武器》 鋼刀「白羽」
・《上防具》 忍者の羽織
・《下防具》 忍者のタイツ
・《装飾品》 隼の指輪
《ギルドランク》 C
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レイ・アルヴェイ
Lv 29
HP 640/640
MP 660/660
EXP 4117
NEXT 503
ATK 92
DEF 142
AGL 110
DEX 135
INT 105
《魔法属性》 火、水
《魔法》 ファイア・ボール Lv3
ヒール Lv3
プロテクション Lv2
ハイヒール Lv 1
《スキル》 剣術 Lv2
格闘 Lv2
《所持金》 361200G
《装備品》
・《武器》 銅刀「五月雨」
・《上防具》 忍者の服
・《下防具》 忍者のズボン
・《装飾品》 隼の指輪
《ギルドランク》 D
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