第二十八話 ブタさんはレンガの家を作らない……
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二話追加します。
「王立魔法図書館に入館できるのは、貴族の方、またはギルドランクBランク以上の者のみとなっております。申しあけありませんがあなた様の入館はお断りさせていただきます。」
「なっ!」
令二は今朝、王立魔法図書館に行ったところ、事務員にそのように言われた。
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「くっそ~!図書館に入るだけなのに
あんな条件があるだなんて……一生の不覚……」
「……残念です。」
図書館に入ることを楽しみにしていたレイはがっかりしている。
「……でも俺はあと23ポイント分のクエストを受ければ
Bランクに上がるから、頑張れば……」
「よろしかったら三人で別々のクエストを受けてみてはいかがでござるか?
そうすれば、すぐに次のギルドランクに上がるでござる。」
「……ありがとうな。」
「……と、当然でござるよ、レイジ殿の願いとあらば……」
「そうですよ、気にしないでください。
残念ながら私は図書館に入れないでしょううけど……」
「ああ、レイが欲しい本は帰り際に買ってくるよ。どんな本を読みたい?」
「本当ですか?では、お料理の本と……や、やっぱいいです。自分で買います。」
「そうか……」
そんなこんなで、令二たちはギルドランクを上げるため別行動となってクエストを受けることにした。
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「レイ、気を付けろよ、いくら《ファット・ラビット討伐》でもな。」
「あいつらはすばしっこいでござるからな、油断は禁物でござる。」
「大丈夫ですよ、姉上、レイジさん。子供じゃないんですから。」
(いや、子どもだろ……俺より年上だけど……)
令二はいつものように失礼なことを考えながら、二人と別れた。
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令二はギルドの中で《オーク・ジェネラル討伐》のクエストを受けた。
(《オーク・ジェネラル》……か。アーク、検索頼む。)
令二が念話でアークに《オーク・ジェネラル》の検索を頼んだ。
(かしこまりました、マスター。……検索……でました。オークと呼ばれる魔物の変異種で、一年に平均2回出没されるとされる『オークの親玉』ともいわれる魔物です。)
(親玉か、そのままだな。で、生息地はわかるか?)
(オークと同じように森に生息する場合もありますが、
一般的には洞窟を形成し、その中で生息しています。)
(よし、じゃあ、西に行ってみよう。マップの自動インストールはやっぱり便利だな。
迷わずに洞窟に行けそうだ。)
(かしこまりました、マスター。)
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(……レイジ・アマノ、一体どこに向かってるの……いったん止まったと思ったら、また動き出して……連れの二人とも別れて……)
小さな影が令二を追っていた。
(なんで俺、こんなに尾行されることが多いんだろう?)
(お気づきでしたか、マスター。)
(いや、あれ、へたくそ過ぎだろ……誰でもわかるって。体の半分くらい隠れきれてないし……)
そう、レイジを追っている小さな影はストーカーもとい尾行があまりにもわかりやすいのだ。
その一、令二を見るとき、体の半分が見えている。
その二、足音を小さくしているのだが、なにやらブツブツつぶやいている。
その三、魔力を放出しすぎである。たいていの魔術師やアークのような魔導書にはわかってしまう。
その四、極めつけは恰好が目立つ……
(あの白いローブいいな、他の服に組み合わせれば……)
令二は尾行されている理由を考えずにそんなことを考えていた……
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「ギャアアアア!」
令二の一撃により、オークが倒れた。
令二は今、洞窟でオークの集団に無双をしているところだ。
(そろそろ最深部だな……魔力感知はどうだ?)
(……マスターの後ろの者以外、奥に魔力の痕跡が存在します……)
(わかった。強いといいけど……ただのオークじゃ訓練にならない。)
ここで申し上げる。令二は、バトルジャンキーではない。