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第二十六話 やっぱ調味料って料理の必須アイテムだよね

 令二たちは次の目的地 《ワールヴ》への馬車に乗っていた。


令二たちが次の目的地、《ワールヴ》に行くのには少し理由があった。


 帝国の古都《ワールヴ》。


 300年ほど前に帝国と呼ばれる国が存在していた街である。

魔王との戦いにより当時、勇者召喚に成功した国の一つで、そのほかに勇者召喚に成功した国は歴史上、王国だけである。


 令二の目的はその勇者召喚についてだった。《ワールヴ》には王立魔法図書館が存在し、当時同盟を結んでいた王国によって運営されている。


 (その図書館に行ってみたいって言ったら、レイがめずらしく行きたがってたっけな……そういえば、レイって本を読むのが好きだっけ……)


 もちろん令二の本当の目的、元の世界に戻ることや、自分が異世界から来たことについてはまだ彼女らには話していない。信じてもらえるか怪しいのもあるが、令二はそれ以上にどのような反応されるのか怖いのである。


「レイジ殿、その……《ワールヴ》には何時ぐらいまで滞在するのでござるか?」


「うーん、まあ今回、《ト-バー》には予定より長くいたからな・・・予定より長引くと考えて……一か月くらいかもしれないな……まあ、なるべく調べ物は早く終わらせるよ……《ワールヴ》は結構広いみたいだし、まわってみたいからな。」


「その時はぜひ前に作ったスープという料理のレシピを教えてほしいでござる。」


「……また作るのか?」


「以前は手伝いしかできなかったゆえ、当然でござる。」


 ――――――――――――


 五日前、以前、令二が作ったスープをレイに教えているときのことだった。


「ここで切った玉ねぎを入れたりすると、甘みが出て美味しくなるんだ。」


「メモメモ……勉強になります。あの、こっちの火はどのぐらいで?」


 レイは火属性の魔法が使えるようになり、いっそう料理の腕が上がっていた。


 令二はレイほどではないが、料理はできる。カレーやスパゲッティ、一品モノや汁物は全般作れる。元の世界の料理だが、こちらの世界でもどうやら珍しく、おいしいらしい。


「火のまほ……忍法が使えるようになってよかったな。どんどん料理がおいしくなってる。料理のうまいレイにはぴったりの忍法だな。」


「え!……はい。ありがとうございます。」

 レイは褒められたのがうれしいのか火加減をしながら帆を赤くしている。


「レイジ殿、レイも……いい匂いでござる。」


「ああ、ルナも手伝ってくれ。」


「え!……あの、レイジさん……それは……」


「この木の実にこれをすりつぶして……こんな風に調味料を作ってほしいんだ。

なくてもいいんだけど……かけても結構いけるやつだ。」


「わかったでござる。」


「あの……レイジさん……」

 レイが小声で後ろから話しかけてきた。


「ん?なんだ?」


「その……実は……」


 ――――――――――――


(まさか調味料を作らせただけであそこまでスープの味を変えるとは……

ある意味ルナは天才だな。一から作らせたらどうなったことやら……)


 レイの話によるとルナは料理がダメらしい。

それは苦手ではなく、ダメ……なのだ。ルナは同じレシピ通りに作っても

なぜか全然違う味の料理が出てくる。


 それはもう、この世の終わりかとも思える味で……


 調味料を作らせた時、令二は次の日風邪となり一日で回復したが、それから何日か、令二は風邪ぎみであった……


「まあ、気が向いたらな……宿の食堂を使わせてもらえるかわかんないし……」


(食堂がない宿ってあるかな?……あとで探してみよう……)


 いつもながら失礼なことを考えている令二だが、いかんせん、自身の命にかかわる重大なことだ。少なくとも、考えがずれているわけではない。


(残り一時間ほどで到着します、マスター。)


(おう、わかった。)

 令二はスキル《念話》でアークの報告に答える。


(帝国の古都《ワールヴ》……か……)


 令二は別段、元の世界に帰りたいとは思っていない……

ただ令二は召喚魔法の仕組みや魔法陣について知りたいだけだ。


 もちろん元の世界へ帰る方法も模索するつもりではあるが、

今現在、令二は魔法の研究を優先しているためそれは後回しなのだ。


(まあ、とりあえず、今はいいか……)


 令二はそう考えながら、揺れる馬車の中で令二は静かに眠りについた……

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