第二十一話 人の心を踏みにじる……いい響きだ……
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書きはじめて四日になりますが、
これもご愛読の皆様のおかげです!
今日は奮発してさらに五話更新します!
令二はレイを連れて森の奥に来ていた。
「レイ……俺はもうお前に戦闘に参加してほしいと思っている……」
令二は手を握り、レイの目を見てそう言った。
「はい……」
「お前はもう……おそらく最低でも戦闘に参加できるほどの力は持っている……
だが、俺はお前は戦わせてはいない……なぜだかわかるか?」
「……戦う勇気がないから……でしょうか?」
「……それもあるが一番の理由はそれじゃない。」
令二がレイにそう答えると、レイは息を飲んだ……
「お前が無理に戦おうとしているからだ……」
「……そんなことは……」
レイがその言葉に驚いたようで、必死に否定してくる。
「……俺はわかってるつもりだが……忍者っていう立場だからな。
嫌でも戦わないといけない時もあるんだろうし……
命を大事にする『コノセ』といえど、死ぬときは死ぬ。怖いものは怖い。」
「だけどそれは俺もルナも同じだ……魔物との戦闘は常に死の危険があるんだ……怖い時もある。だけど俺たち……いやルナが平然と笑っていられるのは守るお前がいるからなんだ。」
「俺はそれでも……自分が死ぬなんてことは絶対に思わない。」
「……な、なぜですか?」
「……死にたくないからな……そんなことなんか気にしている余裕はない。」
「……で、でも……」
レイがその答えに対して口ごもる。
「え……っと、なんだ。俺はともかく無理にお前に戦ってほしくないんだ。
まあ、ギルドとかクエストには興味があったみたいだから……開き直りとか、空元気じゃないと思うけど……」
「………………わかりました。もう少し自分に正直になってみます……
私も、死ぬのは……怖いですし……」
「その調子だ。説教のぶん、休憩は伸ばすから、休んでくれ。時間取らせて悪かったな……」
「いえ……少し元気が出た気がします……では、失礼します……」
レイはそう言うと、そのまま休憩していた場所へ去って行った。
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「姉上!」
「ど、どうしたでござるか?」
レイが戻った直後……レイはルナに抱き付いていた。
「うぇ~~~~ん!こわかったよ~~~~!」
この時、ルナに変な誤解ができた。
「レイジ殿が泣かせた……いやいや、レイジ殿はそんなことをしないはず……
いやいや、無意識に人の心を……私もあの時……いやいや、そうではない、そうではないでござる……」
レイの事情を察していないようでルナはレイを見て戸惑っていた。
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令二は一人森の中に取り残され、ボーっと立っていた……
「嫌われたかな……」
令二はぼっちだった。故に誰かに嫌われるのがとても怖い。
元の世界での孤独感……周りの目はあまり気にしていないほうだったが、
それでも一人になるのはあまり好感を持てないのだ。
「まあ、これで戦っても、無茶はしないようになったかな……今日のクエストはあとは俺一人でやるか……」
そう言ってレイジはさらに森の奥に入って行った。
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「レイ、どうでござるか?おさまったでござるか?」
「う、うん……」
「そうでござるか……少し気になるでござるが……レイジ殿が泣かせたわけでもないようで安心したでござる……レイジ殿のことは信じているでござるが……たまに無意識で人の心を踏みにじることもなきにしもあらず……でござる。」
「ふふ、昨日の作戦は成功しましたけど、レイジさんの鈍感ぶりは予想以上に厄介ですね……」
「……ボン!」
ルナがあの言葉を思い出したのか……ショートした。
「姉上……」
かわいらしい反応をするルナに少し笑いながら呆れるレイであった。
(姉上……負けませんよ……)
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姉妹がそんなことを話している間、令二はゴブリンと戦っていた。
「よっしゃーー!中級魔法、全部Lv3だ~~~~!」
「おめでとうございます、マスター。上級魔法の文字入力を実行しますか?」
「いや、とりあえずここのゴブリンどもを根絶やしにしよう。クエスト完了まであと少しだ……」
令二はゴブリンだけに飽き足らずオークやバットをなぎ倒していった。
(これは決して八つ当たりではない、ただむしゃくしゃしているおれの命の糧となるんだ……)
それを八つ当たりだとは考えもせず令二はゴブリンを探していた。
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レイジ・アマノ
Lv 23
HP 281/580
MP 310/980
EXP 6450
NEXT 550
ATK 143
DEF 81
AGL 152
DEX 100
INT 118
《魔法属性》 無
《魔法》 虹色魔法 Lv2(2/2)
プロテクション Lv3
フォービドン Lv3
ディバインド Lv3
ガーディアン Lv3
《スキル》 格闘 Lv3
剣術 Lv3
思念体 Lv1
《所持金》 17900G
《装備品》
・《武器》 エリューブ・ソード
・《上防具》 革の服
・《下防具》 革のズボン
・《装飾品》 力の指輪
《ギルドランク》 D
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