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第二話 武器なしで戦う奴ってカッコイイと思わない?

 2016/3/30 修正

 冒険者登録を済ませてめでたく冒険者となった令二は早速クエストを受け、ゴブリン退治のため荒野へ向かった。



「うーん……よくよく考えたら俺はゴブリンどころかスライムも倒してないんだよな。唯一使えるのは、さっき覚えた《プロテクション》くらいだし。アーク、ゴブリン一体と俺との戦闘で勝てると思うか?」



「検索します。……勝利確率は……でました。69%……です。」



 どうやらアークは敵の戦力、魔物の性質、場所の検索……この異世界のあらゆるデータがインプットされているらしい。


 異世界に来て初めてスライムから逃げていた時に、最善の方法を言ってくれたのもアークだ。


 要するに、この異世界というRPG現実ゲームを手助けしてくれる便利なシステムという事だ。



「……そうか。でもそれじゃあ危ないしレベル鍛えないとな。スライムとならどうだ?」



「検索……でました。スライムとの戦闘……勝利確率……95%……です。」



 この確率がどんな方法で出されているのかはわからないが、今は信じるのが良いだろう。



「よし、じゃあスライムがいるところまで案内してくれ。」



 令二は正確に勝利確率を推測するアークにそう答えるのだった。


 




「お、いたいた。」



 今、令二の目の前には先ほど追い掛け回された憎きスライムどもがいる。



「よし、早速呪文をしてっと……()は鋼、汝を守る盾なり……」



 令二は自らの肉体に《プロテクション》をかけ、体を強化した。



「くらえ!」



 前方からスライムに殴り掛かる令二だが、スライムは割とすばやくその攻撃をかわし、令二にすかさず攻撃した。



「……痛くねえ。攻撃力はないんだな……お前。」



 令二はスライムを睨んで、素早くスライムを殴り飛ばす。



「ピギイイイ!!」



 意外と簡単に倒すことが出来た。



「弱っ! 確かに定番の雑魚モンスターだけど……ワンパンか。」



「おめでとうございます、マスター。」



 令二の初勝利にアークは称えているらしい。



「……何かパッとしないけど、異世界冒険者の初日はこんなもんか……次行くぞ。」



 そしてその後も令二はスライムをなぎ倒し、ゴブリンまでも簡単に倒してしまう令二だった。





「クエスト……完了です。しかし、驚きました。

登録一日目でこんなに大量のゴブリンを倒した方は見たことがありません。」



「……そうか。」



 令二はギルドの受付嬢に対してぶっきらぼうに答える。



「こちらのスライムゼリーは別枠べつわくで買い取らせていただきます。よろしいですか?」



 受付嬢はそんな態度をとる令二にも親切に接客を続ける。


 営業スマイルはこちらの世界でも重要らしい。



「……ああ、いいよ。」



「…………はい。集計が終わりました。クエスト成功報酬の500Gと、その他納品の850Gです。お受け取りください。」



 受付嬢はそういって、850Gを手渡した。



「ああ、ありがとう。すまないが宿のあるところを知らないか? あとついでに、服や武器を買える店も紹介してもらいたいんだが……」



 令二はあまり申し訳なさそうに尋ねた。



「はい。このギルドでは、こちらの街を紹介した地図を無料で配布してをります。お受け取りください。」



 そう言われて令二は地図を受け取ると、そのマップをこっそりアークにインストールした。



 どうやらアークのデータ内のマップは街の位置とその街の主な建物しかインストールされていないそうだ。



 しかし、アークを開いた状態でマップを投射させれば自動でインストールしてくれるらしい。


 インストールしたマップ情報はいつでも回覧できるようになるようだ。


 令二はそれをとても便利な機能だと思っていた。


(特殊能力の代わりにこの本がチートなんじゃないか? まあ、戦闘じゃ役に立たないけど……)


 そのように思った令二もあながち間違ってはいなかった。


 実際この本がなければ令二は初日でざこなスライムにやられていたかもしれないし、街に到着せずにのたれ死んでいたかもしれない。


 いや、かもしれないではなく、間違いなくそうなっていただろう。


(……アーク様々だな。)


 そんな事を思いながらも、令二はギルドを出て行った。






 ギルドへ報告を終えた令二はその後、地図通りに武器や防具を買い、ギリギリの値段で宿に泊まったのであった。



「……おお!」



 宿の部屋は個室。


 しかし、思っていたよりも広い……掃除も行き届いていて不便はしないだろう。



「……この世界は興味深いことが沢山あるな。そういえば、ステータスって何のためにあるんだろう? やっぱご都合主義なのだろうか……」



 令二はそんなことを喋りながら、眠りにつくのだった。



 ――――――――――――



 レイジ・アマノ


 Lv 4


 HP 70/70

 MP 230/230


 EXP 133

 NEXT 57


 ATK 25

 DEF 12

 AGL 29

 DEX 19

 INT 22


 《魔法属性》 無


 《魔法》 プロテクション Lv2


 《スキル》 格闘 Lv1


 《所持金》 50G


 《装備品》 

 ・《武器》 ショートソード

 ・《上防具》 革の服

 ・《下防具》 革のズボン

 ・《装飾品》 力の指輪


 《ギルドランク》 F



 ――――――――――――


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