表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/119

第十九話 これはデートなのだろうか……いや、そうじゃない

 何も知らないギルドマスターを哀れに思っていた令二たちは街に出かけていた。


「レイジ殿、レイジ殿、あれはなんでござるか!」


「あれは屋台やたいってやつだよ。

ああやって場所を変えて色々な食べ物を売っているんだ。」


 いつもはアークが解説しているのだが、街中でアークをしゃべらせるわけにもいかないので、令二がしぶしぶルナの質問しつもんめに答えていた……


「あれ、買ってきてもいいですか?」


「ん、ああいいよ。金の計算はちゃんとしろよ、だまされないようにな。」

 令二がずれた注意をしていたが、気にせずレイは屋台に行った。


「あ、レイジ殿、あれはなんでござるか?」


「ああ、あれは……」


 ――――――――――――


(こんなに平和なときもあるんだな……魔導書のこととかあのかわいそうな女のことは今は忘れよう。こんな時だからこそ元気に遊ばないとな……ルナもレイも楽しんでるみたいだし……)


 二人の後姿を見てそう思った令二だった。


「レイジ殿!こっちでござる!」


「レイジさん、早くしないと食べ放題できなくなりますよ!」


「ああ。今行く!」


(あれ?これってデートなのか?……だが、愛している人同士が二人きり……ではない。愛しているわけでもないし、第一あんなに歳の離れている奴らだかな……歳の差が……)


 失礼かつズレている考えをめぐらせながら令二は二人のもとについていくのだった。


 ――――――――――――


「ここか?」


「はい、ここの料理はおいしくて、この時間は食べ放題らしいんです。屋台の方がおっしゃっていました。」


「あのおっちゃんか、意外といい奴だったな。買ったおまけに《バイタル・ポーション》貰っちまったし……」


(疑って悪かったな、おっちゃん。屋台のおっちゃんは良いやつしかいないことがよくわかったよ。)


「レイジ殿、お腹がすいたでござる!早く入るでござる!」

 こうして三人は店に入って行った。


 カラン、カラン!


「へい、いらっしゃい!」


「三人だ。席は空いているか?」


「ああ、今ちょうどあいたところだ。あそこに座ってくれ。」


「……わかった」

 令二がそう答えて、三人は席に座った。


「あ、ギルドマスターがいる。」


「意外ですね、あの固そうなお方がこんな店に入るなんて……」


「格好は普段着ふだんぎだな……めちゃくちゃ食べてるぞ。」


「もきゅもきゅ……」


 そこにはおいしそうに食事をとっているリーデルがいた。


(なんだあの量……まさか、全部食べてるのか?)

 リーデルの食べている横に積み上げられている皿を見て令二はそう思う。


「うまそうだな、俺たちも早く食べよう。」


「はい!」


 そうして食べようとするとルナががっつくようにご飯を食べている。


(そんなに食べてるとふとるぞ・・・とは言えないよな。)


 昨日のルナの反応を思い出して、

あまりルナを刺激しないほうがいいと思った令二だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ