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第百五話 かくれんぼしよう!

更新が遅れてすみません!

「……お前は……魔導書使いだろ?」


「………………」


 先ほどまで話していたフリードは静まる。


「図星みたいだな。」


「……なぜわかった?」


「……お前の装備しているその剣や鎧は俺の能力の一つ、《鑑定》のスキルを使うことでアイテムの特徴をすぐに理解することができる……けど、懐に仕舞っているそれだけは名前が出てこない……この世界で《鑑定》ができないアイテムは俺の知る限りただ一つ……これだけだ。」


 令二はそう言って、アイテムボックスに閉まっていたアークを取り出す。

戦いの最中、令二はフリードの剣の動きに違和感を感じた……彼は鎧を装備しているのにもかかわらず、極端に右胸への攻撃を避けていたのだ。


 そこで令二は《鑑定》のスキルを使い、彼の懐を確認した。すると、そこには確認不可のアイテムがあり、そのネームは「???」であったのだ。


「……そうか、《鑑定》のスキルを持っていたか……魔導書は元来そのスキルからその本体を隠すためにカモフラージュされているが、それを逆手に取るとはな。戦闘の途中、懐にはもっと気を張るべきだったか……」


 何よりも決定的であったのは……彼の口にした「レベル」という概念……それはこの世界に魔導書以外に存在しないものだからだ。ミリーも令二の記憶が正しければ本にステータスが記録されていたはずだ。当の本人はあまり気にしていなかったが、少なくとも「レベル」のことは知っていたはずだ。


(あいつの魔導書がどの魔法を反映にしているかは知らないし、本の能力もまだわからないが、戦っていれば見極められそうだな。)


「……悪いがここからは手段を選ばない……」


「……いいだろう……わが魔剣のさびにしてくれる。」


 令二とフリードは再び剣を構える。


 これは決闘……だがいかなる手段を用いてでも勝たなければ……死ぬ……


 少なくとも令二は殺す気はないが、フリードは必ず自分にとどめを刺すと令二は確信していた。


「《フォービドン》!!」


 令二は自身に速度増強の魔法をかける……フリードの《魔剣 デルテロイ》がある限り、こちらの魔法による防御は一切無駄……となれば回避するしかないのだ。

 そして魔法を発動した直後、その剣の切っ先はフリードに向かう。



 キイイイン!!



「《ディバインド》!!」


 令二は鍔迫つばぜり合いのさなか、ゼロ距離でフリードの足もとに弱体化の魔法をかける……


「む……」


「はあああ!!」


 ギイイイン!!


 突然の足場の変化にバランスを崩したフリードを令二は吹き飛ばす……しかし、その攻撃の目的はフリードへの攻撃ではない。彼の魔剣を空中に投げ飛ばした。


「《アース・クラッシュ》!」


 令二は吹き飛ばしたことで体勢を崩しているフリードに無詠唱で《アース・クラッシュ》を放つ。



 ドオオオオオオオオン!!



「ダメ押しだ! 《フレイム・バレッド》!」



 ドガアアアアアアアアン!!



 爆発音が鳴り響く……鎧で全身を守られているからと言ってこれだけの攻撃を喰らえばまともではいられないはずだ……


「……次で終わりだ……《エクスプロ―ジョン》……」


 令二は油断を一切しない……爆煙が晴れ、小さな影を捕らえた瞬間、火属性の上級魔法を放った。



 ドガアアアアアアアアン!!



 ――――――――――――


「す、すごいです……レイジ様……」


「ご主人様だもーん」


 防壁の上……チユとテートが二人の戦いを遠目で見ている。

その激しい戦いに二人は目を奪われているようだ……


「これ以上は近づくと危険というのは、本当だったんですね……」


「うーん、ご主人様の勝ちー?」


 チユは首をかしげて二人の方向を見る……


 そこには立っている令二と……先ほどの爆発による煙と燃え盛る大地……

黒い鎧はその煙でまったく見えない……


 煙が晴れていく……




 そこには黒い鎧が一切……何も残っていなかった……

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