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第九十九話 女神様参上!

 魔人たちは街に接近してくる……防壁を超え、ついに街の中に入ろうとしていた……が、王国の警備兵によってその行く手を阻んでいた……しかし、多勢に無勢……警備兵はその魔人の数に押され始めていた。


「ミリー、急いで!」


「わ、わかってるわよ! ……かぜ……天空てんくうをかけるつばさなり……」


 ミリーはメリルに返事をすると、《エアリアル・ウィング》を発動し、防壁のもとに向かった。

彼女は現在、ルナたちとは別れ、令二の捜索にあたっていた……しかし、街を歩いていると住人を非難をするように警備兵たちが言葉を投げかけているのを耳にした。彼女はそれが気になり、街の外を見たのであった。


 そこには大量の魔人が防壁を破ろうとしていたのだ……


 ミリーはそのまま防壁へ空を舞い、到着した。


「……あらし、万物に至いたらせしめるものなり!」


 ミリーは《ゲイル・ストーム》を発動させ、魔人たちを奇襲する。


「な、なんだ!」


「え、援軍だ! ギルドからの援軍だ!」


 警備の者たちがミリーを防壁から見上げる……彼らから見れば空を飛んでいる彼女はさしずめ救世主、天使であろう。


「えっと……あの……」


 ミリーは注目されて少し戸惑っている……が、今はそんな場合ではないことに気付き、すぐに次の魔法の詠唱えいしょうに入るミリー……


「……みずかぜつち……霊子れいしなんじ従属じゅうぞくせしものなり……森羅万象しんらばんしょう万物ばんぶつをも浄化せし……《セイクリッド・スフィア》!!」


 ミリーは火、水、風、土の属性を混合した《四大魔法エレメント・マジック》の最上級魔法……《セイクリッド・スフィア》を発動した。


 小さい光の玉が突如としてあらわれ、一体の魔人に攻撃する。


「……ナンダ……」


 魔人がその光の玉に触れる……すると、光の玉が徐々にその輝きを増していき、その光の玉を中心として球体が広がっていく……


「「ウガアアアアアアーーーー!」」


「「ギアアアアーーー!」」


 そのほかの魔人が次々にその光の球体の犠牲となり、先ほどまでの数の半分以下となってしまった……


 ――――――――――――


 魔法はその効力を失った……しかし、そこに広がるのは魔人たちの死体の山……


「な、なんだこれは!」


「す、すごいぞ! きっとあの方は戦女神だ!」


「女神様ー!」


 警備の者たちはミリーのことを女神と称賛し、ほめたたえている……


「ど、どうしよう? これ……」


「いいんじゃない? とりあえずここの防壁への攻撃は防げたんだし……人間に人気者扱いされるのも満更でもないんでしょ?」


「……いや、こんなに大げさにやられると、ちょっと……」


「次の軍勢がくるわよ!」


「もう……わ、わかったわよ! やってやるわ!」


 メリルが注意し、ミリーが視線を向けたその先には……魔人の軍勢と四天王のひとり、ゼノがいたのであった。

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