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実際

そこには、想像通り女が眠っていた。保健室特有の安上がりな枕に髪を盛大に広げ、すぅすぅと寝息を立てている。確かに美人な方なのだろうが、ずば抜けた美人と言うほどでもない。目の下に刻まれたクマのせいで、美人なのかどうかすら危ういほどだ。だいたい人の美しさと言うものは目の大きさで判断する人が多く、当然俺もそのタイプだ。

とどのつまり、目を固く閉じている眠り姫の美しさなんて分からん。

勝手に期待して勝手に失望することほど失礼なことはないと思いつつ、ため息をつきながらカーテンに手をかけた。

その時。

足音が聞こえて、扉の前で立ち止まる気配がした。もちろん1限目はとうの昔に始まっている。こんな時動き回っているのは先生のみ!

俺は咄嗟に、閉めようとしていたカーテンを盛大に開きカーテンの内側に隠れた。

かくれんぼの時カーテンに隠れる奴はすぐ見つかる。カーテンに隠れるなんて馬鹿じゃないのとあざ笑ったものだ。

馬鹿は俺だ!隣のベットに行って寝るか、今来たんです感を出して机を眺めとけば良かったんだ!時すでに遅し。がらららっと音を立てて扉が開いた。そして、

「ゴホッゲホッ、あー頭いてー」

どこのどいつかは知らんが、そいつはそのまま俺のものになるハズだったベットに入ったようで、しばらくすると寝息が聞こえてきた。

当たり前だ。保健室に来るのは具合の悪くなった生徒だ。先生など来るわけがない。

そっとカーテンを開けて俺はその狭い空間から抜け出した。

今度こそベットで横になろうと思い、隣のベットを見て悲しくなった。

この感じは行列のできる料理屋などで、自分の整理券よりあとの番号のひとが先に呼ばれたときの気持ちに似ている。

虚しい••••••

焦るととんでもないポカしちゃいますよね。

ベットとカーテンの間には人が隠れるには無理がある少しの隙間が一応あります。

なんであの生徒気づかなかったんでしょうね?多分頭痛かったからでしょう。

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