遅れた到着
現場へ着くと確かに僕しかいなかった。
胡林警部の言っていたように僕が一番近辺にいたから、到着が速いのか、もしくは他の署員に、まさかの置いてきぼりをくらったのか。
いや、捜査する上で、そんな進行に支障を来たすような事はないだろう。
まず現場の下足跡や落し物がないか、僕は若干その場に這いつくばって地面に視野を拡げていた。
「お前は亀か?」
不意に胡林警部の声がした。立ち上がり声の方へ目をやると、やはり無表情に近い顔で警部はいた。
「いや……その、なにか残されてないかと……何が証拠になるか分からないじゃないですか。」
「本人に受けうるな。俺が教えた事だろ。」
それほど意識を高め行動している、という意志は警部には伝わらなかったようだ。
「それに。」
警部は鼻を少しすすって言う。
「何かあったとしても、重要品なら、もう鑑識が押収しただろう。」
「……ですよね。……え?鑑識?ここに来たのは僕が最初じゃないんですか?」
はあ……と溜息をついて警部は言った。
「現場を検証して、鑑識が作業を始めたと同時に他のやつらは各自もう動いてる。」
僕は、何て間抜けなんだ。
「僕、連絡もらってから十数分でここに着きましたよ?」
「ん?俺が連絡をしてから電話を切り、その“直後の十数分で"着いたのか?」
思えば通話中、兎が言葉を挟み、更に兎の店を出るまでも加えると、十数分どころか……。
「のろまだな。早く追え。ここから西の方向に逃げた。とりあえず、その方面に行け。数メートル先には最寄駅がある。公共物を使われたら、速度的にも周囲の安全面においても厄介だ。」
「はい!」
僕は駆け出した、が警部に呼び止められる。
「それから落ち着いたら」
一息ついて警部は続けた。
「“兎"との接見のやり取りを知らせてくれ。」
「……はい、分かりました。」
こんな状況で?何故その話題を?と思ったが僕は改めて指示を受けた方面に向かった。
やたら誤字脱字すみません。更なる展開があります。よければ引き続き閲読頂けると嬉しいです。




