生きてねお父さん
詩です
今日もぶたれる
力一杯ぶたれる
お父さんにぶたれる
とっても痛い
死にたいくらいだ
でも、がまんするよ
そうすれば、ご飯が食べれるんだ
賢いでしょ
とってもまずいご飯が食べれるんだ
まずくても食べるよ
お腹空いて死にそうだもん
何もない日は
お父さんが寝たら
ゴミをあさるんだ
何かあるから
賢いでしょ
お父さんは酒を飲んでは寝て、酒を飲んでは寝てそして僕をぶつ
僕、知ってるんだ
僕をぶてばお父さんは機嫌がよくなるんだ
だから僕がまんするよ
えらいでしょ
今日は知らない女の人が来た
だから僕は外で待ってないと行けないんだ
寒いよ
早く帰ってくれないかな寒いよ
あ、僕のお母さんはどうしたかって
僕が生まれてすぐ、違う男の人と出ていったんだって
賢いよね
あんな、お父さんから逃げるのは当たり前だよ
僕も逃げたいよ
でも、僕は逃げないよ
僕、知ってるんだ
お父さんはもう命が短いんだ
ガンだって
昔、優しい頃のお父さんと病院に行ったら、お医者さんに言われたんだガンって
だから僕は逃げない
お父さんがひとりぼっちになっちゃう
昔、お父さんが優しい頃遊園地に連れていってくれたんだ
楽しかったな
いろんな乗り物に乗ったんだ
あとね、ピザを始めて食べたんだ
おいしかったな
それが最初で最後だったけど
本当においしかったよ
遊園地の次の日から、お父さんは僕をぶつようになったんだ
知ってるんだ
お父さんはずっとがまんしてきたんだ
お母さんのことも、病気のことも、病気で仕事がないことも
僕をぶって気が済むなら僕をぶってよ
僕もがまんするから
だから死なないでお父さん
僕を一人にしないでお父さん…ひとりぼっちは嫌だよ
生きてねお父さん
そして、また遊園地でピザ食べよ
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