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ジャンプとマックと

作者: 海香

今日は朝からよく晴れている。

こうも晴れられるとなぜか腹が立ってくる。

どうして、今日になって晴れるんだろう。

人が雨乞いならぬ晴れごいしても、肝心な日にはちっとも晴れてくれない。

まぁ、うちの母親は洗濯物が乾くだのなんだのと上機嫌なのだけども。


母親が上機嫌なおかげで私もジャンプが手に入ったのだから別にいいか。

日当たりでマックのポテトを食べながらジャンプを食べるのもなかなか贅沢かもしれない。

日当たり、自分の部屋とジャンプを取られた弟は迷惑かもしれないが。


ともかく、このぐらいの贅沢がなければやってけないんだよ。如月っていう月はね。


どこの聖人の名前だか知らないが、バレンタインデーとか迷惑甚だしいね。

そりゃぁさ、部屋に引きこもってマックを食べながらジャンプを読んでるぐうたら受験生に、恋なんて大層なものが巡ってくる訳がないんだけどね。


バレンタインデー当日になってチョコも薄力粉もないとかついてないでしょう。いくらなんでも。

あげく、せっかく作ろうと思ってた相手は別の子に逆チョコだか何だかしたらしいとか


よくよく考えれば、生まれてこのかたバレンタインデーにいいことがあったことなんて一度もないんだよ。


もうバレンタインだか何だか知らないけどね、なくなっちまえとかヤケを起こしてるこんなのに如月とかうざいんだよね。


バレンタインデーは朝から家に引きこもって、テレビも消して恋愛だのが出てこない小説を読むに限る。


って友達に言ったら、大爆笑された。


高校に行ったらいい人がいるよーって言ってますがね。


ええそりゃぁあなたは今こそ彼氏はいないが高校にでも行ったら恋に恵まれるでしょう。大層おきれいですから。

私みたいに今週は誰がジャンプに出てこなかっただの、誰がピンチだのと一喜一憂するオタクでもないですしね。

それにあなたは高校も決まりましたがね、私は倍率2.35倍とかいう有り得ない数字の場所へ今から乗り込むんですよ。はい。

それに私にはね、高校何ぞ単なる通過点だと思いこまなきゃ別にいく気もおこらない場所ですよ。ええ。

誰が好き好んで親に孫の顔見せなくちゃいけないんだよバーカって感じがしてきますよ。

19で結婚して20で出産とかいうあなたは特別例だって自覚しやがれこの野郎。

さっさと結婚して孫の顔見せろだとかウルセーんだよバーカ。

っていうかそんなこと中三受験生に言うな。

ちょっとは勉強しろだのなんだのと受験生の親らしいこと言いやがれ。


…ちょっと関係ないか。


なのにですねぇ。


どうしてやっぱりあの人が頭にちらつくんでよすねぇ。


恋だの甘い青春だの。

私には無縁だと思いますけど。

ちょっと期待してしまう私は

マックのカフェオレ程度には甘いのでしょうね。

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