3話-1(分岐)
※この先は分岐となります。
物語の本筋を追う場合は、第4話へ。
フィアは悲鳴を上げるが、司教はそれすら微笑みながら眺めていた。
「いいですよ、フィア。私以外に迫られたなら、そのように振る舞うのです」
その恐怖の対象に自分が含まれているとは、まったく思っていないような振る舞い。
何を伝えても状況が覆らない、その絶望がフィアから恐怖の声さえ奪う。
その時だった。
強く叩かれる司教の部屋の扉。
「失礼します、司教様。何かありましたでしょうか。聖女様の声が聞こえたので、念のためにご確認を」
それはフィア直属の聖騎士、シリウスの声だった。
「シ……んっ……」
フィアはその声に顔を上げ、か細い声でその名前を呼ぼうとする。
しかし、司教はそれを許さない。
フィアの口を手で押さえ、話し始める。
「シリウスですね、大丈夫です。何もありません」
「ですが……」
「フィアは少し驚いて声を上げただけですよ」
フィアは司教の手を口から離そうともがくが、叶わない。
「それでしたら、扉は開かずとも、フィア様の声をお聞かせください。無事を確認できたら、私は下がります」
シリウスのその言葉に司教はフィアに微笑む。
「声を……聞かせて欲しいそうですよ、フィア」
また悲鳴。
シリウスがフィアを呼ぶ声。
悲鳴。
扉を叩く音。
「少し、声が変わってきましたね」
それは、いつまでも繰り返された。
「愛していますよ、私の聖女様」
bad end.
開かない扉




