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many merry bad ENDs  作者: 源泉


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12/24

9話-1(分岐)

※この先は分岐となります。

物語の本筋を追う場合は、第10話へ。




シリウスが去った後、フィアは留め具の外れた装衣を脱ぎ、先程まで装衣のうえに着ていた服を着直す。


毎日侍女たちに着ることも脱ぐことも任せていたそれを、自分で着替える事が出来たのが誇らしかった。


しかし、華奢な彼女には一回りほど大きい新たな服は、体よりも気持ちのほうを不安にさせた。


フィアは寝台に横になり、毛布にくるまる。

その時、部屋にノックの音が響く。


「シリウス?」


思ったよりも早い帰還に、フィアは安堵の息をつき、寝台から身体を起こす。

しかし、そこで違和感を覚えた。


ノックの音が繰り返される。

そればかりか、激しくなるノックの音。


「おーい、鍵を忘れちまったんだよ、あけてくれ〜」


「なんだ寝てんのか?もう朝になってるだろ〜!」


聞き覚えのない男達の声、恐らく部屋を間違った酔っ払い。


そのうち諦めるだろうと、フィアは毛布に包まり、耳を押さえる。


ドンドンとドアを叩き、ガチャガチャとノブを回す音、そしてバキッ、という破壊音。


その扉を守るはずの人は、今、この場にいない。


「お、開いたじゃねえか」


「ひゃはは、さすがボロ宿」


ドタドタと部屋に入りこむ足音。

小さなその部屋では隠れることも出来ずに、フィアはその招かれざる客と目が合う。


「あ、の……部屋、を」


間違っていますよ、と言いたいが声が震える。

一瞬の間。


「お嬢ちゃん、どうしたんだ?俺たちの部屋に入り込んで」


「ああそうだ、泥棒なら捕まえなきゃなぁ」


ニタニタと嗤う男達は、ここが自分達の部屋ではないと、とうに気がついている。


「違い、ます……」


か細い声で否定し、部屋の隅へ後ずさる。


「盗んだものがないか調べさせて貰うぜ」


「ああ、よく確かめねえとなあ」


フィアはその言葉にただ首を振り、否定した。


「違います、それ、に……もうすぐ連れが部屋に戻ってきます……」


その言葉に、男達は手をとめ、

男たちは顔を見合わせ、意味ありげに笑った。


視線が絡みつく。

酒と汗の匂いが、距離を詰めてくる。


助けを呼ぼうとしても、声が出ない。


その瞬間――

視界が恐怖に塗りつぶされた。


そして、鍵の壊された部屋だけが、

虚しくシリウスの帰りを待っていた。


bad end.

連れ去り

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