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Delete

作者: Chapi


 遥か昔のある日、蒼井零あおいれいはすべてを失った。彼は世界一愛した彼女を含む、大切な友人や当たり前の日常を奪われてしまった。その瞬間、彼の存在は完全に変わり果てた。


 彼はかつて『Delete』として知られる存在であり、完璧な知恵と才能を備えた殺し屋だった。彼の存在は全知全能のように思われ、彼の知識は万物に通じていた。冷静かつ冷酷非情な彼は、数多くの人々を消し去り、その冷たい存在感から彼の名前『Delete』が生まれた。


 しかし、彼の存在は失ったものと引き換えに形作られた。時折、彼は過去の光景を振り返り、心の奥深くで苦悩した。


 そんな彼の唯一の相棒であり幼馴染、紫雨創一むらさめそういちは、頭脳ブレインとして知られていた。彼は人類の500年先までの叡智を持ち、その知識は万物に精通していた。彼はDeleteとともに人類の最高傑作とされ、その存在は神秘的であった。彼の脳内には未来への扉が開かれ、彼は過去の歴史から学び、未来の可能性を見通していた。彼の知識と洞察力は驚異的であり、彼の任務はいつも成功に近づくことを約束していた。


 紫雨創一は冷酷な一面を持ちながらも、内に輝きと優しさを秘めていた。彼の存在は人々に希望を与え、恐怖を打ち破る力を持っていた。


 Deleteと紫雨創一の絆は不滅であり、その信頼関係は鋼のように強固だった。二人は共に困難に立ち向かい、闇の中で光を探し続けていた。


 そして時は2065年、日本は世界からの侵略に晒されていた。核兵器を使用したロシアのGURによる攻撃に加え、アメリカや中国も参戦し、日本の人口はわずかに200万人まで減少していた。


 新宿駅地下にあるジェノサイド基地は絶体絶命の危機に瀕していた。


「零、やばいぞ、奴らがすぐそこまで来てる!このままじゃ…」


「フウ、今の状況を教えてくれ」


 フウは人類初の量子コンピュータを搭載したAIだ。その量子コンピュータは、従来のスーパーコンピュータでは解けなかった問題を解決するために量子学的現象を利用し、驚異的な処理速度を持っていた。零と創一は200年咲きまで完成不可能と言われたその原理を完成させ、2065年に量子コンピュータを搭載したフウを開発したのだ。


「襲撃人数は12人で、自軍は全滅し、CIAが第三門を突破しました。最終ゲート突破まで、こちらへの到着予定はあと12分弱です」


 フウの報告によると、敵の数は12人であり、彼らはすでに第三門を突破していた。最終ゲート突破までの時間は残り12分弱だった。


「わかった。もう少しで完成するはずだ」と作業をしながら零は言う。


「本当か!?」

 

 ─────そして遂に。


 「あぁ、やっと完成した。これがタイムリープマシーンだ」


 タイムリープマシーン。それは使用者の記憶をデータ化し、過去の自分に送ることができる装置だ。零が開発したタイムリープマシーンは、10cm³までの物質を同時に過去に送ることができる。


「遂に完成か、ここまで長かったな…」


「あぁ、長かった。だがこれが最後だ」


 零はタイムリープマシーンを見つめながら言った。


「2020年、俺達はまだ高校3年生で何も知らない。だがそれでいい。俺の記憶も一緒に送ることができるが、それをしてしまったら過去の俺は今の俺と変わらなくなってしまう。あの時代の思考パターンはもう今の俺にはない。だからお前が過去に行き、その時代の俺と協力すれば、この未来を変えることができる。そうすればあいつも…」


 創一の目には涙が溢れてきた。


「本当に…これが最後なんだな…」


「それと、データプログラムを渡しておく。これは俺の知識と戦闘経験のデータが入っている。打てば、当時の俺ならどんな動きでもイメージ通りに再現できるはずだ」


 データプログラムを受け取った創一は、タイムリープマシーンを自分にセットし、行き先を2020年に設定した。


「お知らせします。第4門が突破されました」


「意外と早いな。お前がタイムリープを成功させたら、俺はお前を殺し、そして俺自身も捕まる運命になる…。ガキの頃からよくここまで付き合ってくれた。最後までお前には任せっぱなしだな…」


「…何言ってんだよ、これからだろ…」


 創一は涙を拭いながら言った。


 その時、警報が鳴り響いた。


「緊急事態です。最終門が突破されました。到着予定はあと5分です。すぐに逃げてください」


「もう…時間はないようだな。創一、これが俺からの最後の言葉だ…これよりオペレーションを開始する。作戦名は『オペレーション・ジェネシス』。確定された未来を変え、お前たち自身が未来を創り出せ!こんな未来じゃなく、もっと明るい未来を創ってくれ」と零は言った。彼の顔には今までとは違った笑顔があり、昔一緒に笑い合った時の笑顔だった。それを見た創一は涙が止まらなかった。


「ああ、任せとけ!しっかりと世界を救って、女の子たちも救ってきてやるよ!行ってくるぜ!」


 その後、一つの銃声が鳴り響き、天才殺し屋はCIAに捕まった。


 創一はタイムリープマシーンを使い、過去の自分となって2020年に到着した。彼は過去の自分になりすまし、て未来を変えるために行動を開始した。



読み切りになります。(*ᴗ ᴗ)⁾⁾

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