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烈海の艨艟  作者: 鳴木疎水
灼光の戦譜
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西海岸上陸戦

西海岸上陸戦


 連合艦隊第一、第二航空艦隊はオアフ島の戦いで被撃墜、不時着、損傷機廃棄により戦闘機165機、艦上攻撃機61機、艦上爆撃機53機を失った。

 搭乗員175人が未帰還、機上戦死、負傷者は重症者71人、軽症者52人を数えた。

 両航空艦隊の保有していた航空戦力の2割近くが失われ、搭乗員のうち1割以上が死傷により戦力から外れている。

 艦隊はハワイの哨戒圏を抜けると燃料補給のため速度を落とした。

 各機動部隊は、後続する航空機輸送艦から損耗した機体と搭乗員の補充を受けると、進路を北東に変え航行を続けた。


 航空機輸送艦はその名の通り遠隔地にある根拠地や前線の飛行場へ航空機を輸送するために建造された。

 天王山型と呼ばれる空母は、④計画以降精力的に建造された航空機輸送を目的とする小型空母で、基準排水量8,200t、8000馬力ディーゼル機関搭載で速力18ノット、航続距離16,000キロ、航空機輸送の場合飛行甲板に露天繋止する機体を含め最大70機以上の航空機を積載可能、護衛空母として運用時の搭載機は20機、カタパルト1基装備、艦後部と舷側の航空機搬入用を兼ねたものと合計2基のエレベーターを持つ。

 今回の作戦では輸送する航空機の半数は陸軍機となっており、主翼を外して梱包されたものが格納庫に積載されている。

 昭和15年以降に生産された陸軍機は特殊船での運用の為、カタパルトを使用した単距離発進が可能な設計になっていた。


 北米西海岸に向けて進む日本艦隊は凡そ4群に分かれて航行していた。

 先頭を一航艦、2群目が二航艦、3群目に低速空母と補給部隊、最後尾に上陸船団が続く大船団の先頭から最後尾までの距離は180キロに及んでいた。

 その陣容は

 一航艦 4個機動部隊 空母20隻 戦艦8隻 大巡4隻 重巡7隻 軽巡9隻 駆逐艦49隻

 二航艦 2個機動部隊 空母12隻 戦艦4隻 軽巡11隻 駆逐艦24隻

 補給部隊 空母型給油艦8隻 給油艦10隻 給油用油槽船35隻 航空機輸送艦16隻 軽巡3隻 駆逐艦24隻

 上陸船団 護衛空母6隻 軽巡2隻 駆逐艦 12隻 海防艦36隻 哨戒艇45隻 機動揚陸艦8隻 機動輸送艦76隻 陸軍特殊船21隻 陸軍機動艇62隻 輸送船約500隻 給油用油槽船36隻 総勢1200隻近い大部隊で、日本海軍の稼働戦闘艦艇の殆んどすべてを以てこの大艦隊は編成されていた。

 油槽船や貨物船も、枢軸国や占領地との交易に必要とされる最低限の船舶を除く優良船のほとんどが集められている。


 オアフ島攻撃から6日後の8月15日、現地時間5時15分、連合艦隊の二つの航空艦隊はバンクーバー島西方400キロから750機を超える攻撃部隊を出撃させた。

 攻撃はカナダ領バンクーバー、ビクトリア、米領シアトル、タコマ、ポートランド周辺にある航空基地すべてに向けられた。


 米軍は8月14日の時点で哨戒機や潜水艦の偵察により日本軍を捕捉しており、同日昼過ぎから重爆撃機により日本艦隊の攻撃を始めていた。

 日本軍の作戦目標を西海岸北部への上陸と判断した米軍は、西海岸南部から航空部隊を移動し日本軍の攻撃に備えようとした。

 米軍航空部隊は重要地域が多いカリフォルニア州の防衛に偏重した部隊配置になっていたため、北部の航空施設の整備状況は十分なものとはなっていなかった。

 同様に陸軍守備隊もオレゴン州やワシントン州での防備は薄く、南部を守っていた戦力の両州への移動を急いだ。

 この兵力の大移動で米西海岸の鉄道や幹線道路は各所で混乱、西海岸一帯で交通網の麻痺を引き起こした。

 特に航空部隊の混乱は深刻で、北部の各航空基地は飛来してくる航空機の受け入れのため管制が麻痺したり、滑走路が無計画に着陸した航空機で埋まり戦闘機や哨戒機の離陸の妨げとなったりしている。

 米軍にとってより痛手だったのは、整備スタッフや補給物資などの移動が交通網の混乱から基地の遥か遠方で停滞してしまい、先着で移動した航空機が滑走路を埋めるだけの置物となる事態が多数発生したことだった。


 8月14日から15日にかけての戦況は、米軍攻撃部隊が逐次投入の形で日本艦隊に向かったことや、航空基地の混乱により防空体制が万全でなかったことから、両日とも日本軍の優勢のうちに推移する。

 日本軍の攻撃の結果ワシントン州とオレゴン州カナダ・ブリティッシュコロンビア州の連合軍航空基地の半数以上が使用不能となり、残った基地も多大な損害を受けていた。


 8月17日早朝より日本軍はバンクーバー島とオリンピック半島への上陸作戦を開始、兵力の増強が間に合わなかった米加両軍の守備部隊は大損害を受け退却し、日本軍は北米大陸西岸に橋頭堡を築く。

 15日と16日の両日に渡って西海岸北部の航空制圧を続けた連合艦隊は、16日中に戦力補充を終えた一航艦をカリフォルニア州に向け南下させた。

 



 



 

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