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烈海の艨艟  作者: 鳴木疎水
灼光の戦譜
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オアフ島強襲2

オアフ島強襲2


 8月9日オアフ島現地時間6時40分、レーダー誘導され待ち受ける300機を超える米軍戦闘機と一航艦オアフ島攻撃部隊の間で空中戦が始まった。

 攻撃部隊に同行する電探装備の天山艦攻により米軍機の位置情報を受けた戦闘機隊は、太陽を背に待ち構えていた米軍迎撃部隊の側面から襲い掛かった。

 陸海共同開発により昭和17年末に三式戦闘機として採用された艦上戦闘機疾風440機と米陸海軍機との戦闘は、2,250馬力の発動機を積み最高速度644キロを発揮、長砲身20ミリ機関銃4門の強力な火力を誇る日本の新型機を操る歴戦の日本軍戦闘機部隊が米軍を圧倒した。

 米軍機も陸軍のP-38やP-47、海軍のF4-UにF-6Fと高性能な新型機を多数配備していた。

 しかし熟練搭乗員揃いの日本軍機を相手に、ほとんど実戦経験がないパイロット達が熟成の進んでいない不慣れな新型機で初陣を戦うという悪条件に米軍戦闘機部隊は劣勢を強いられた。


 米軍がハワイ方面に配備していた戦闘機は、配備総航空機数の三分の二を占めていた。

 日本軍機動部隊への攻撃に向かった爆撃隊の護衛に回った機体を除いても、500機を超える戦闘機がオアフ島上空での戦闘に投入されていた。

 日本軍の攻撃部隊は戦闘機の半数を制空戦闘に半数を攻撃部隊の直掩に宛て、米軍の迎撃部隊と戦った。

 制空隊との戦闘をすり抜け攻撃部隊を狙う米軍機と直掩隊の戦闘が続く中、艦上攻撃機天山で編制された攻撃隊は第一攻撃目標とされているオアフ島各所の航空基地に向け射程10キロ、弾薬重量280キロの45センチロケット弾を次々と発射した。

 時限信管により目標上空で炸裂する弾頭は、広範囲に被害を与えると同時にスパイク上の断片を路面まき散らし滑走路を使用不能にした。

 彗星隊は両翼にそれぞれ2基懸吊した4基の20センチロケット弾を対空陣地に向けて発射した。

  第一次攻撃隊の攻撃が終了してから20分後に第二次攻撃隊400機が再び航空基地を襲い、銃爆撃によりオアフ島の殆んどの滑走路は破壊され使用不能になった。


 オアフ島から日本機動部隊の攻撃に向かった米軍航空隊は、400機近い戦闘機による迎撃を受ける。

 日本艦隊の遥か手前から幾重にも敷かれた迎撃網に、米軍攻撃隊は次々と絡めとられていく。

 分厚い防弾装備に護られた双発や4発の重爆撃機も、高空から襲い掛かる二式重戦の30ミリ機銃に燃料タンクを撃ち抜かれ、翼をへし折られて次々撃墜されていった。

 迎撃戦闘機の壁を抜けて機動部隊へと向かった攻撃部隊を待っていたのは、天をも焦がすかのように艦隊上空を黒煙で埋め尽くした対空砲火で作られた防壁だった。

 輪形の堅陣を越えて航空母艦への攻撃に辿り着く前に攻撃隊は次々力尽き、波紋を残し波の間に消えていった。

 

 米軍機の攻撃を一手に引き受けたのは、オアフ島に最も近い位置に布陣した4隻の装甲空母で編制された第一機動部隊だった。

 4隻を守る壁となったのは大和、武蔵の2戦艦と、大巡阿蘇、朝日、軽巡大淀、矢矧、黒部、遠賀、夕雲型駆逐艦4隻と改秋月型駆逐艦11隻で、それぞれが強力な対空兵装を備えた鉄壁の輪形陣を作っていた。

 第一機動部隊は、米軍の攻撃により駆逐艦1隻が沈み1隻が大破し戦列を離れたほか数隻が中小破した。

 装甲空母加賀は飛行甲板に損傷した米軍機2機の体当たり攻撃を受けたが、甲板上で体当たり機の爆弾がさく裂し一部装備が損傷したものの発着艦に支障はなかった。

 

 戦艦大和に座乗する連合艦隊司令部は、オアフ島に対して4波のべ1,800機の攻撃隊を送り同島の航空戦力を壊滅させると、ハワイ方面での戦闘を終了し新たな作戦の開始を命じた。

連合艦隊は進路を東北東に取りハワイ諸島から離れていった。




 


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