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母性と性欲

アリシア「そういえば、トウァ。

トウァは成績どれくらいなの?

学籍帳見せて。

服備袋(ポケット)とかに入れてるでしょ?」


トウァ「うん、いいよ」

足服(ズボン)服備袋(ポケット)から

学籍帳を取り出して

アリシアに手渡す。


学籍帳とは自身がどういう大人(おぅと)として

学校に登録されているかが

記載された紙板(カード)の事だ。

大人(おぅと)は常に持ち歩いてる。

挿絵(By みてみん)

アリシア「んー、

代謝効物の成績,低いんだね。

量関果量とか物道則は高いのに」


トウァ「雑多でバラバラな事を

1つ1つ覚えるのが苦手なんだよね。

代謝効物って、雑多でバラバラな事を

覚える感じあるじゃん?

体系的なら覚えられるんだけど。


特に効物はただただ、

たくさんの分子の生物学的特性を

覚えれば成績が取れるでしょ?


逆にそうしないと、

成績が低くなっちゃう。

だから苦手なんだよ。


代謝効物でも思物とかは

大きくて複雑な生き物、

動物とかの構造や仕組みを学べて

まぁまぁ面白いし、粒意とかも

代謝,遺伝子,細胞とか、

生物の根本的な構造や仕組みを

知れて面白いんだけどね」

面白くない物は得意じゃない物だろう。


アリシア「ふーん。

私、記憶力が良いから

効物とかつまらないとは思うけど

全部,覚えちゃってる。

授業で聞いた事は忘れないの。


...ていうか、

1度,聞いた事は忘れない。

トウァと初めて会った時の会話とか、

昨日,トウァが私の家に来てから、

何を話したかとか全部、

1語1句,覚えてる」

アリシアは淡々と話す。

1語1句,覚えてる...

それって人の記憶力なのだろうか。


人に言われた事,言った事は、

意味や内容をなんとなく覚えてはいても、

1語1句,どんな文章で

言っていたかなんてのは覚えていない。


トウァ「へー、すごいね。

そんな人いるんだ。

じゃあ効物とか満点なの?」

満点を取れる生徒の割合は2.5%で、

満点の3/4は15%、

満点の半分は50%の確率でとれる。


アリシア「そうだよ。ほら」

アリシアがポケットから

学籍帳を取り出して自分に見せる。

挿絵(By みてみん)

トウァ「え、アリシアすごいじゃん!

満点......10個もある。

自分は1つしかないのに」

驚いてしまう。

こんなにすごい成績を

持ってる人は初めて見た。


アリシア「でしょー?

私、成績すごい良いんだよ」

アリシアは自慢げに言う。

褒められるのがアリシアは

好きなのかもしれない。


トウァ「代謝効物と物道則とか、

あと1点取れてたら、

教科ごと満点じゃん。

科目が満点なのは2.5%だって聞いたけど、

教科が満点なのって、何%だっけ?」


アリシア「4科目の教科なら、

0.15%、640人に1人だね」


トウァ「アリシアって

そんなにすごかったんだ。

獣耳ついてて可愛い上に、

頭も良いなんてすごいじゃん」

べた褒めしちゃう。


アリシア「へへー。

それだけじゃなくて、

私,運動もできるんだよ?」

アリシアが闘法を指差して言う。


トウァ「ほんとだ、満点4つも

あるじゃん...1点も2つあるけど」

硬板と肉殻が1点だ。


自分がそれを言うと、

アリシアはバツが悪そうな表情をする。

アリシア「それは...うん。

なんか、体幹弱いの私」


トウァ「ふーん。

胸跳,握縮,腕引,弾投が満点で、

腕周りの筋肉は強いのにね」


アリシア「...うん」

それはあんまり

言われたくないみたいだ。


トウァ「ねぇ、ちょっと

袖まくって腕見せてよ」

ふと、気になる。


アリシア「え?別にいいけど」

アリシアが袖をまくる。


トウァ「ちょっと腕、触っていい?」


アリシア「んー、別にいいけど...

ちょっとだけだよ」

アリシアは恥ずかしそうに言う。


さっきラヴダーナッツで

あんな事したばかりだから

そーっと慎重に

アリシアの二の腕を握る。


...ムニュムニュしてる。

なんか、肉付きがいい。

それに肌がスベスベしてる。


アリシア「...トウァの腕は細いんだね」

アリシアがそういって、

自分の二の腕を掴む。

なんか、情けない気分になる。


トウァ「うん。アリシアって、

硬板と肉殻の成績が低いし、

腹筋と背筋が弱いのかな。

ちょっと触ってみていい?」


アリシア「やだ」

アリシアはきっぱり言う。


トウァ「...なんで?」

お腹くらい触られたって

何ともない気がする。


アリシア「なんか、お腹は恥ずかしいよ。

それに変な事しそうだもん」


トウァ「う、うん」


アリシア「ほら、否定しない」


トウァ「いや、別に触りたかっただけだよ。

アリシア、可愛いからお腹と背中、

触ってみたくなった」

正直に言ってみる。


アリシア「そういうのが

()なんだってば。

恥ずかしいし、

変な空気になりそうじゃん」


トウァ「うん」

否定できない。


トウァ「...アリシアってさ、

結構,負けず嫌いなの?」

昨日,今日と、アリシアと

過ごしてきて思った事を言う。


アリシア「そうだよ。

だから、獣耳(ケモミミ),触られたり、

さっきのラヴダーナッツみたいに

責められるのは()なの。

恥ずかしがらされるのって

なんか悔しいじゃん」

アリシアは口を尖らせて言う。


トウァ「へぇ、さっきの悔しかったんだ。

ならやり返せばいいじゃん。

自分の事,恥ずかしがらせてよ」

挑発してみる。

アリシアが負けず嫌いだからこそ、

負かしてやりたくなってきた。

悔しがるアリシアは可愛い気がする。


アリシア「えぇ。トウァ、

どうせ何したって、

恥ずかしがらないじゃん」

アリシアは乗り気じゃなさそうな

様子を見せる。


トウァ「そんな事ないよ。

恥ずかしくなった事とかあるし」


アリシア「じゃあ、

何したら恥ずかしがるの?」


トウァ「んー、急にアリシアが

押し倒してきて、

無理やり接吻(キス)してきたら

恥ずかしくなる」

ニヤけながら、

ただ単に願望を言ってみる。

アリシアの動揺が見たい。


アリシア「......」

何故か、アリシアが自分の目を

じっと見つめたまま黙り込む。


そんなに変な事,言っただろうか。

自分がこういう軽口を言う人だって事は

もうわかってると思ったけど。


寝転がっていた、

アリシアがすくっと膝立ちをした。

アリシアが自分を右から見下ろす。

アリシア「ねぇ、しないと思ってる?」

いつもと様子の違う静かで

囁きかける様な声で、

自分を惑わす様にアリシアは言う。


何が言いたいんだろう。

何をしようとしてるんだろう。


こうして横になっているのが

不安に感じてきて、

自分も体を起こす。

いや、起こそうとした。


アリシアは体を起こそうとする自分に

飛び掛かって突然,肩に

手をかける形で押し倒した。

飛び掛かる様子は絵本で見た猫みたいだ。


アリシアが自分の体の上にいる。

肩に手を乗っけて、

地面に着いてるアリシアの膝と膝の間に

自分の両足がある。

トウァ「え、何?」

アリシアが何をしようとしているのか、

わからなくて戸惑いを隠せない。

心臓がドクドクと鼓動しているのがわかる。


体の上に乗っかって来たアリシアの目を、

伺う様にじっと見つめていると、

アリシアは覆いかぶさる様に、

自分の頭を抱き抱える様に、

自分の頭に腕を回し、

自分の耳にその口を近づける。


湿った、柔らかい何かが

自分の耳を挟み、包む。

トウァ「はぅ!?」

変な声が出る。こちょばしい。

少し落ち着いてから気付く。

自分の耳をアリシアが

唇で挟んでいるみたいだ。

意味が分からない。


何も言わず、自分の質問に答えず、

黙って変な事をするアリシアに混乱する。


よく考えたらアリシアとは

昨日,出会ったばかりだ。

自分が知らない一面があっても

何も不思議じゃないのか。


トウァ「あ、アリシア...どうしたのさ...」

アリシアが耳を唇で挟んでるから

こちょばしくて上手く喋れない。


アリシアがいつものアリシアじゃない。

ほんとにどうしたんだろう。

黙ってないで何か喋って欲しい。


すると、やっとアリシアは声を出す。

アリシアは吐息の様な、囁き声で言う。

アリシア「前に、私の獣耳(ケモミミ)

意地悪した仕返しだよ。

トウァが言ったんじゃん、

恥ずかしがらせてって。

...昨日も今日も私に酷い事したトウァに

仕返ししてるんだよ」

アリシアの声が耳をくすぐる。

アリシアの声は嬉しげだ。

自分をいいようにするのを楽しんでる。


ふと、アリシアが耳元から離れ、

自分の顔を見つめる。

悪戯でも企んでいる子供の様な

微笑みを浮かべて。


すると、アリシアは

自分の頬を両手で掴んで抗えない様にして

どんどん顔を近づける。


そして、アリシアは左手で

自分の目を隠して、自分の耳元で囁いた。

アリシア「ねぇ、今から

接吻(キス)されちゃう気分はどう?

女性に押し倒されて、

無理やり唇を奪われる気分はどう?

もう、そういう事しちゃおっか?

...したいんでしょ?」

今のアリシアは淫魔みたいだ。

これが本当のアリシアで

昨日も今日も猫を被ってたんだろうか。


アリシアはただただ自分を誘惑して、

アリシアの事しか考えられなくする、

アリシアに飢えてしまう様にする。

正気を保てない。


このまま、何処かに

連れていかれてしまいそうだ。

自分の知らない世界に。


アリシアが体をどんどん倒し、

肩に乗っかっている手に

重みが加わって行く。


アリシアの吐息が、自分の唇にかかる。

もう、すぐ傍にいる事が

その暖かな手で目を

隠されていてもわかる。

そして...そして......


アリシアのしっとりした唇が触れた......



頬に。

...頬に。

え?意味が分からない。

アリシアの暖かな手が目から離れて、

アリシアが手を自分の肩から離して、

少し赤い顔で言う。

アリシア「ねぇ、恥ずかしかった?

恥ずかしかったでしょ?」

アリシアは嬉しそうに、

得意げに早口に言う。


アリシア「すっごい戸惑って、

はぁはぁしてさぁ。

ねぇ、ほんとうに

されると思ったでしょ?」

そういう事か。


でも、そんな事実では我慢できない程、

自分は欲情していた。

狂おしい程にアリシアを求めていた。

ゆっくりと起き上がって、

アリシアを押し倒し、

アリシアの上で四つん這いになる。

さっきと逆だ。


アリシアは無言で目を見開いて驚く。

その様子に余計,興奮する。

今更,思う。アリシアは可愛い。

めちゃくちゃにしたい。

ダメなのが漏れ出てしまいそうな程,

あそこが固くなっている。


静かな空間に酷く荒い息の音が響く。

あまりにも明確で単純な願望が、

欲望が、口から出る。

トウァ「ねぇ、交尾したい」

アリシアの頭を掴んで

逃げられないようにする。

絶対に逃がさない。自分の物にする。


そして、口を開けて

アリシアを味わおうと、

顔を近づけて...


アリシア「待って、待って!」

アリシアが慌てた様子で

自分の頭を掴んで止める。

自分の両頬に両手を当てている。


トウァ「...したい」

アリシアが可愛くて仕方ない。

今すぐ自分の物にしたい。


アリシア「いいから待って」

アリシアは自分の頭を掴んでいた手を離し、

少し後ずさりしたかと思うと、

唐突に自分の頭を抱きかかえ、

自分の口元を柔らかな胸に強く押し当てた。

力学均衡(バランス)を崩して、

地面を押して体を支えてた手と腕は

左右に開いてアリシアの体に倒れ込む。


鼻がアリシアの胸に強く当たって、

ちょっと痛い。


この顔の向きで胸に顔を

押し付けられると鼻が痛いから

顔を横に向けて、

頬をアリシアの胸に当てる。

柔らかい。


息をするとアリシアの甘い匂いがする。

アリシアは自分を抱き締めたまま、

横に寝返りを打つ。


アリシア「はぁ。こうやって、

頭,固定されたら抵抗できないでしょ?

落ち着くまでこのままだからね。

...もう、ほんとに

変な事されちゃうとこだったよ」

アリシアは自分の頭を優しく

繰り返し撫でながら言う。


アリシアに頭を撫でられるのが

声が出ちゃいそうなくらい気持ちい。


そして、アリシアのおっぱいは柔らかくて、

アリシアの体温は暖かくて、

そんな場所でなでなでされていると、

くらくらして、ふわふわして、

平衡感覚がなくなって、

何処が上で何処が下なのか

わからなくなってきた。

ぐるぐる回っている様な、

めまいしてるみたいな感覚がする。


ただただ心地いい。


アリシアの体に、脇から腕を

回して抱きしめる。

アリシアの体が柔らかい、暖かい。

そして、どんどん意識が落ちていく。


アリシア「落ち着いた?」


トウァ「うん...ありがと。

すごく心地いいの。それに眠たい」

なんだかアリシアに甘えたくて仕方ない。

こんな気分は初めてだ。


アリシア「そっか...そのまま寝ていいよ」

アリシアは優し気な声で言う。


トウァ「じゃあそうする。

寝てる間,離れないでね。

あと、自分が寝ちゃうまで

撫でてて欲しい」

なんだか、何処か自分の声が弱々しかった。


アリシア「うん、いいよ。トウァ」

やっぱり、自分はアリシアの事が

好きみたいだ。






参考画像

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

(アリシアと騙幸(カタサ)人♀は同一)

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