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希望


 爆音止んだステラの部屋で二人は話をする。


「本当にびっくりしたわよレオナ」

「うん。ステラお姉さまの顔もちゃんと見てたよ」

「急に謝ったと思ったらこんなの用意してるなんて……私はずっと混乱してた」


 レオナはステラとの話を終えて部屋を出た。


 結果、予算は降りず交渉は決裂した。


 アリシアの協力は得ている証明になるが、ワープゲートの確立には繋がらない。


 お客さんが来る導線を用意出来ない限り予算は許せない。


 話し合いの終わったレオナは皆と合流した。


「もぉー、レオナ言ってよ。私達かなり近くてうるさかった」

「ごめんなさいルナお姉さま。わざと音は大きいようにお願いしたの」

「でも……とても綺麗だったね。最後はお姉ちゃんの名前も読めたよ」

「うん! ルナお姉ちゃん本当にありがとう」


 ルナのスキル『鷹の目』は遠くを見ることができるスキルで、それが無かったらタイミングを合わせる事が出来なかった。


 そして、なにより協力してくれたアリシアのクロユリがレオナに話しかける。


「それで、交渉はどうだったのかな?」

「駄目って言われちゃった」

「ははっ、そりゃ懸念点は色々とあるからねぇ。もしも第一王女の立場なら私もそう答えを出すだろうね」


 レオナの交渉自体はこれで終わった。


「アリシアもそうさ。流石にあのままなら条件を飲めなかった。でも、ロードくんの作品をアリシア全員に見せたら火が着いちまったよ。これ程の熱量は伝染するさね」


 クロユリは自信作をお披露目し満足していた。


「そうなったらいいな……メアリ。今日はもう遅いので皆さんを案内してあげて。ルナお姉さんのパーティメンバーの方々もありがとうございました。本当に皆様、ご協力ありがとうございました」


 レオナは丁寧に深々と頭を下げた。そして、一夜が明ける。


 アリシアへの移動中も眠っていたが不規則な生活が祟ったように交渉後も簡単に眠れた。夢を見ることも無くグッスリと深い眠りから覚めると目覚めも良く清々しい朝だった。


 ただひとつ、何時もと違うのはお布団に人が居た。


 寝間着を着た第一王女のステラが何故かレオナと同じベットでぐっすりと眠っている。


「ステラお姉さま?」


 レオナはステラの体を揺らすと疲れが抜けてない顔で目覚めた。


「おはようレオナ……」

「おはようございます! 朝起きたら隣りにいて驚きました」

「……うん?」


 ステラは周りを見渡して自分の部屋じゃないことに気づいて寝る前の記憶が蘇った。


「あー、そうよ。レオナを起こそうとしたけど全く起きなくて諦めたんだったわ……やってくれたわねレオナ」


 心当たりしかないレオナは怯えながらステラの話を聞いた。


 昨日レオナが寝た後からが地獄だった。オフィキナリスの国民から問い合わせが多数……無限にありステラは自分の作業に手を出す事さえ出来なかった。国民だけではなく、貴族から王族まで説明を求める声が多く無視できない。


 なにより、あれが何なのかステラに尋ねる声が大きかった。国の新しいイベントなのか知りたいという声に勿論ステラは答える事が出来ない。仕掛けたのはレオナでステラは何にも情報を持っていない。


 そして、一番大きな声が『もう一度見たい』という内容だった。


 見たことのない美しく大きな大輪に心奪われた国民が多くて無視できない。


「あれから深夜まで対応して疲れ果てちゃった。服はマリアが着替えさせたのかも知れないけど覚えてない……」

「本当にごめんなさい」

「そんなに謝らないでレオナ。私だって……もう一度見たいって思ったのもの。さてさて、もうどうなっても知らないからね? これでこの国が傾いたらレオナも一緒にお父様に謝ってもらうから覚悟してね」


 ステラは王族と貴族を集めて説明会を開いた。


 観光施設を新たに作るという案に目を輝かせて食いついた。


 商業施設、農産業の運営に協力している者は自分達の利益を想像するのも迅速で積極的に推した


 日頃便利な生活を送れるきっかけとなったアリシアと協力関係であることを伝え、所長のクロユリも喋る機会があった。


 リスクはワープゲートの完成が読めない。


 それにも関わらず宿泊施設の建設を誰が中心に行うのか、そもそもどんな観光施設を作るのかと話だけが勝手に先へ進んでいく。


 何よりステラが以外だと思ったのは一部の王族が私財を投資しても良いと声を挙げた事だった。


 それ程の衝撃が国民に届いている。


 レオナは自分のやりたい事を通す為にステラと交渉を行ったが、狙いはオフィキナリスを味方にする事だった。国民の過半数以上を味方にする事ができれば勢いは止まらないと思い。アリシアに用意してもらった。


 想定より賛同する者が多くてレオナも困ってしまった。


 そんな中でステラが休養中のキングに呼び出された。一時的にとは言え、オフィキナリスの実権を握っていたステラだけと話し合い。最終結論が出された。


 結果はレオナの願っていた通り、観光施設を国策として作る事が決まった。


 国民へも大腿的に発表した。


 そして、アリシアとの会議が始まる。


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