コンビ
それからはケイは山スキーに数回参加し、チームの主要メンバーになり、私とはスキー馬鹿コンビ扱いになっていた。スキーへ行くとケイと私は朝から夕方まで一緒に滑り、リフトも二人で座ることが多かった。
リーダーのダンの希望もあってチームのメンバーを増やすことになった。男性が多いチームだったので女の子のメンバーも増やしたいとのことだった。女の子が入るとスキーへのモチベーションも上がると思い、また女性でいつも参加しているのは男みたいな私だけで悪いと思っていたので、それに賛成した。
ケイだけが、増えすぎると本来のスキーチームと違ってきてしまうからと反対の意見をしていた。しかしダンの「女の子も入って楽しくスキーしたい。それで彼女も見付けたい。」との強い希望と嘆きに押されメンバー募集に渋々賛成した。
ダンはスキー雑誌やネットなどを介してメンバー募集をし、私は女性専用サイトでメンバー募集をした。そうしてチームのメンバーは増えていった。
人数か増えると、主要メンバーはそれぞれのグループの担当として別れることが多くなった。スキーへ行くとケイとは、もう一日一緒にいることはなく、最後の数本だけ一緒に滑った。その時、私は嬉しくて「やはりケイさんとのスキーは楽しいね!」と笑いかけるとケイは「あははは」と笑っているのだった。
ケイは見た目の柄の悪さとは裏腹に、誰に対しても腰が低く、落ち着いた丁寧な対応だった。女の子からも好かれていたと思うが、私とのコンビ扱いで近寄る子はいなかった。ダンからはことある事に「あの二人はできてるから。」と言われ、9歳も年下の男の子が私とのコンビ扱いに申し訳なく思い「そんなことないよ。ケイさんに失礼でしょ。」と焦って答え、ケイは笑っているだけだった。