説明不要ですが魔法少女は男がなるものではありません
世界には異端が満ちている。
かつて誰かがこの世界を指して言った。
21世紀後半、12月25日クリスマスそれは突如現れた。
現在enemyと呼ばれる、人類の敵対者との初接触であった。
enemyの対抗者たる異能力発現者、エインヘリヤル略称エインが現れる翌年1月1日までに全人類の2割に渡る犠牲者がでた
後この7日間を指し地獄の一週間ヘルウィークと制定される。
ファーストヘリヤルと呼ばれた彼らの活躍によりできた一時的な猶予を使いenemyを解析。
エインとは違う対抗策を編み出す。
それこそが人工エイン《ウィザード》である。
何らかの要因により覚醒するエインヘリヤル故の絶対数の少なさと違い適正さえ有れば、誰でもなれるウィザードは正に希望だった。その力が及ぶべく出なくとも。
それから数十年後、四月某日某所にて、物語が始まる。
異能適性検査、それは十歳から二十歳まで毎年行われる国民の義務であると同時に、能力の有無、そして高低はそれだけで差別をうみしかしそれでもと一縷の希望にすがり、けれども現実に敗れる。そんな人の内の一人だった彼は、この日人生の歯車が狂う
この世に生を受けた時、自分が生まれ変わったと認識し、しかし現代とそう変わらない世に安堵しそして差異に、希望を抱く。
十歳の時、自分にはまだ縁がないだけだと思うことにした。
小学生高学年の時、まだなんの準備もできていないと納得した振りをして誤魔化した。
中学生の時、もしかすると自分はそんな機械では気づけない能力があるのではないかと、妄想する。
高校一年の時、諦めて平凡な人生を生きようと決意する。
そして、今年いつもはなんの反応も示さない異能結晶が個室の中で強烈な光を放つのを見なかった振りをして、近くにいた係員に結晶を渡し、去ろうとして呼び止められあれよあれよというまに会議室のような部屋に連れていかれ、圧迫面接のさながらの配置の中央に着席させられた。
彼らは、当事者のことも無視し今も討論を繰り広げている。
こんな馬鹿げたことあり得るのか?
だが結晶が示しているエラーではない。
しかし、彼は男性ですよ。さらに―
それでもだ、異能力には我々の理解の及ばない範疇あるということだ。今その本人が来ているのだから、彼に話を聞こうではないか。
左端の髭を生やし白衣を着た男性言葉と同時に、彼に視線が集まる。その目はさながらモルモットの反応を見る研究者のようだ。
失礼、我々としても初めてのケースだったのでね。単刀直入に言おう、君の異能力が判明した。
Sランクの
魔法少女だ。
それは、彼にとっての不幸かあるいは少女達にとっての福音か、まだ誰にもわからない。
みきり発車なので注意