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曜日替わり能力  作者: 向風
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町の武器屋さん

「さて、じゃあどこから行こうか?」

「はい! 眼帯見に行きたい!」

冒険者ギルドから外に出て2人に尋ねるとイオルが手を挙げて提案する。

「そっか、じゃあ雑貨屋さんから」

「待ってください。雑貨屋は多少遅くなっても開いているところを知っていますが武器屋は行ったことがないので閉店時間がわかりません。なので先に武器屋から行きませんか?」

ユーンさんは武器屋から行くべきと考えているらしい。

「あー、そだね。じゃあそうしよっか。」

イオルも別に急いで欲しいわけでも無いらしくユーンさんの意見に従うことにしたようだ。

「ではギルドに出勤する時に前を通るお店があるのでそこに行ってみましょう。」


「いらっしゃい。」

木造の扉を押して中に入るとカウンターで頬杖をついた中年の男が顔を上げて声をかけてきた。

店の中は狭い。いや、店の外観から見るにそんなに狭い感じはしなかったのだが壁に掛けられた弓や剣に加え、床にドンッと置かれた樽の中に乱雑に入れられた槍やこれを使う人がいるのかって思うような長さの長剣が抜き身のまま壁に立てかけられてたりするせいで狭く感じるのだろう。

「わー、すごい。武器屋って感じだねー。」

「武器屋なのだから当然でしょう。しかしこれだけの刃物に囲まれると壮観ですね。」

女子2人はキョロキョロと周りを見渡して感想を言い合っている。

「…お前ら、冷やかしでも構わんが触って怪我しねえようにしろよ。」

多分女性客なんて珍しいのだろう。早々に買い物客では無いと判断したらしく帳簿のようなものに目を落とした。

「あ、はい、じゃあ少し見させて貰います。」

俺が返事を返すと興味なさげに片手を上げて答えてくれる。


「ユーンさん、何か気になるものあった?」

商品を見て回っているユーンさんに声をかける。

「そうですね、これというものは…。というより投擲に向いた武器はあまり置いていないように見えます。」

「あー、確かに。」

言われて俺も商品を見回して見るが目に入るのは剣や槍などの直接振るう武器ばかりだ。

「うーん、投擲に向いてそうなのは無いな…。」

「はい、おそらくその樽に入っている槍は投げ槍の一種だとは思うのですが私に扱えるとは思えませんし。」

「確かに。槍を投げるとなると命中制度だけじゃなくて筋力もいるから厳しいか。」

「そうですね。それに槍を投げるくらいなら弓の練習でもしたほうがマシでしょう。弓と矢を持ち歩く方が嵩張りませんし。」

「そりゃそうだけど、…その場合って能力の補正入るの?」

「いえ、入りませんね。感覚と言いますか、あくまで自分の手で投げる時に狙った場所に投げられるだけなので。」

「なるほどね。」

ユーンさんの【投擲制御】という能力はものを投げる時に狙った場所に投げられるというだけで、物理的、筋力的に届かない場所には投げられないし、何かの道具を使って飛距離を伸ばすと能力の補正が入らないらしい。

まあ【投擲制御】自体はそんな珍しい能力じゃ無いってユーンさんも言ってたし、それを使って冒険者やってる人もいると思ってたんだけど武器屋に置いてないってことは【投擲制御】を主軸にして冒険者やってる人って少ないのかな?


「ジンさん? 何か難しい顔してるけどどしたの?」

「ん? ああ、なんでも無いよ。イオルは何か欲しいもの見つかった?」

ちょっと考え込んでいたようでイオルに話しかけられるまでボーッとしていたようだ。

ユーンさんはまた商品を物色している。

「んー、矢を見てたんだけど鉄の矢は無いみたい。あの矢は元々漁具だしここじゃ扱って無いのかも。」

「イオルの方も無しか。」

これ武器屋来た意味ないのでは?

「うん、だから普通の矢を買おうと思うんだ。鉄の矢は繰り返して使えるけど重たいから飛距離も伸びないし持ち歩く量も多く出来ないけど、普通の矢なら軽くて持ち歩くのも楽だし飛距離も伸びると思うよ。その分威力は下がるかもだけど。」

「そうか、基本一回きりの使い捨てだけどちゃんと利点はあるんだな。」

「うん、それに値段も安いみたいだよ。ほら、1本で大銅貨2枚で10本まとめて買うと大銅貨15枚だって。」

えっと、1本だと200円くらいで10本セットで1500円ってとこか?

「ちなみに鉄の矢だとどれくらいになるの?」

「えっと確か1本で大銅貨5枚だっけ? でもこれ漁師仲間の割引入ってると思うからお店で買ったらもうちょっと高いかも。」

まあ少なくとも普通の矢の3倍くらいはするってことか。

「なるほどね。じゃあ矢はまとめて買っておこう。鉄の矢はまたカルノ湖に行った時に買えばいいし。」

「うん! じゃあ良さげなの見てくるね!」

そう言ってイオルは矢の置いてあるところへ向かう。

(2人ともちゃんと自分に必要なもの見てるなぁ。よし、俺も自分に合った武器探してみるか。)

魔物の正面に立つ予定の俺が1番貧相な武器を使うわけにもいかないと思い、改めて店内を見て回り始めた。





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