【未定】
待っているとユーンさんが戻ってきた。
「すみません、お待たせしました。お預かりした武器は仕舞ってきました。それとイオルには悪いのですがギルドカードを今日1日ギルドで預からせてもらえませんか?」
「あ、うん、いいよ。あれって元に戻すのって時間かかるの?」
「はい。専用の魔道具に乗せて半日ほどかかります。すみません、借りる時に伝えていませんでしたね。」
「いいよいいよ。急いで必要ってわけでもないし。」
「そうですか、ありがとうございます。ですので昨日2人が受けた依頼の報酬受け渡しは明日にさせてください。それと今日の依頼の報酬と魔物の素材買取のお金も明日にしましょう。」
「あー、そうだね。買い物行ってからまたギルドに戻って来るのも面倒だしね。」
「はい、それもあるのですが、ギルドへのパーティ登録が完全に済んでいないのでこのまま報告してしまうと依頼を受けた私とイオルにしか冒険者ランク上昇の査定対象にならないんです。」
「え? パーティ登録が終わってないってどうして? 昨日私とジンさんで登録出来たんでしょ? イオルが登録されてないってこと?」
「いえ、ギルド側の資料には私の加入のことは報告済みです。ですがギルドカードにはまだパーティ情報を登録していないでしょう?」
「あっ、そっか、そういえばまだやってなかったね。」
「ん? パーティをギルドカードに登録?」
ここまでイオルとユーンさんの話し合いを静観していたけどつい気になって割り込んでしまう。
「あー、出た。ユーンがちゃんと説明してないやつー」
「うっ、そうでした、申し訳ありません。」
イオルが茶化すとユーンさんが少し凹んだように謝ってくる。
「あ、いや、別に責めてるわけじゃないからね。」
一応フォローはしておこう。
「はい、すみません。では改めて説明させてください。まず冒険者がパーティを組む場合、そのパーティに参加する人を冒険者ギルドに登録します。冒険者ギルドでそれが受理されたらパーティに入る人のギルドカードを預かり、魔道具に通してギルドカードにもパーティを登録します。そうするとパーティ名がギルドカードに表示できるようになります。何度もすみません。これでギルドカードについての説明は全部終わったはずですので…。」
「いや、ホント気にしてないから。丁寧に説明してくれてありがとう。それじゃあ明日イオルのギルドカードが直って戻ってきたら登録すればいいんだね。」
「ええと、そうなのですが昨日受付した時にパーティ名が決まっていないということでしたよね? そのまま登録するとなると書類に仮で書いておいた【未定】の名前で登録されてしまいますがいいのでしょうか?」
「「それは嫌。」」
ここはイオルとハモった。
「パーティ名が【未定】はちょっと無いな。」
「かっこいいのがいい!」
「まあかっこいいかはともかく、私も【未定】はちょっとどうかと思います。これも決めなければいけませんね。」
「2人とも、なにかいい案ある?」
「うーん、考えてなかったなぁ。」
「パーティリーダーの名前から取るパーティもありますよ? ジンパーティはどうですか?」
「それは無い。 っていうか俺パーティリーダーだったの?」
「えっ、リーダーはジンさんでしょ。年齢的にも1番上だし、引っ張ってってくれそうだし。」
「そうですね。それにギルドの書類にはもうジンさんがリーダーで出していますよ?」
「ええ…、まぁいいけどさ。でもジンパーティは無いからね。」
「えっと、私も別にジンさんの名前がどうってわけじゃ無いけど流石に安直過ぎるかなって。」
「む、そうですか。では他に何か…。」
「あなたたち、まだいたの? お買い物行くんでしょ? 外、暗くなっちゃうわよ?」
うんうん唸っているとナユさんが戻ってきていた。
「あ、ホントだ。」
「あー、パーティ名は置いといて先に買い物行こっか。」
「そうですね、買い物しながらでも考えられますし、そうしましょう。じゃあお母さん、行ってきます。」
「はーい、いってらっしゃい。気をつけてねー」
ナユさんに見送られて俺たちは冒険者ギルドを出た。
次回、やっと買い物行きます。




