ギルドカード修復魔道具
依頼の報告も済ませて倒した魔物の素材を預けた。
素材の鑑定には時間がかかるとのことなので先に買い物に行くことにした。
「やっと買い物に行けるねー。」
「あ、2人とも待ってください。町中で武器を持ち歩く必要もないですしギルドに置いておきませんか?」
「ん? それ良いの?」
「ええ、私が使っているギルド職員用の戸棚に入れておけば良いです。もちろん鍵もかかりますし、何でしたらだいぶ空きがあるので預かりっぱなしでも良いですよ。」
「わー、助かるよー。整備したい日もあるから毎回預けるって訳にはいかないと思うけどそれ以外の日はお願いしても良いー?」
「良いですよ。ジンさんはどうしますか?」
「うーん、そうだな…。」
「そもそもなんだけどジンさんずっとそれで戦うの?」
俺が片手に持ってる棒を見ながらイオルが聞いてくる。
「いや、流石にこれに命預ける気にはならないよ。前にも言ったかもだけどこれゴブリン倒して手に入れた物だからね?」
「あー、そういえば言ってたねー」
「そうなのですか? 何か理由があって使っているのかと思っていたのですが。」
「いや全然。今日の戦闘ではほとんど役に立たなかったしちゃんとした武器を持つべきだとは思ったけどね。まあ正直剣とか持ってもまともに使えないと思うけど。」
棒切れ振り回すくらいならともかく、剣とかになると刃筋を立てる?とかが必要らしいし使える気がしない。
「ふむ。でしたらまず武器屋に行って見ましょうか。買うかどうかはともかく、どういったものが売られているかはわからないので先に見ておくべきかと。」
「ボウガンの矢も売ってるかな?」
「どうだろうね? まあ行ってみて考えようか。とりあえず武器預けさせてもらっていい?」
「はい、いいですよ。ではお預かりします。」
ユーンさんに棒とボウガン、それと残った矢を預けるとそれを抱えてギルドの職員専用の扉に歩いて行った。
「ジンさん、イオルちゃん。ちょっといい?」
「あ、はい。」
「ナユさん? どうしたの?」
ユーンさんがいなくなってすぐにナユさんが話しかけて来た。
「ええ、昨日2人が受けたっていう依頼の確認がちょうど終わったの。すぐ済むからちょっとだけ手続きさせてもらえないかしら。」
「はい、いいですよ。」
「じゃあ確認するわね。依頼内容は盗賊のいる場所への他の冒険者の案内ね。」
「はい。」
「それで依頼を受けたのは…、イオルちゃんね。じゃあギルドカードを出して貰えるかしら?」
「はーい。って、あ。」
イオルが腰の鞄に手を突っ込もうとしたところで声を上げた。
「どうしたの?」
「…私のギルドカード、ユーンに取られたままだった。」
「あー、そういえば。」
「ユーンに? どうして?」
事情を知らないナユさんが不思議そうに聞いてくる。
「えっと、色々ありまして。」
「色々って?」
「えっと、ナユさん、私のギルドカード真っ赤になっちゃったんだけど直るよね?」
ちょっと心配だったのか不安そうに聞いている。
「真っ赤に? 盗まれて悪用でもされたの?」
「ううん、そうじゃなくて。ちょっと町に帰ってきた時に警備兵に止められて、ちゃんとギルドカードを見せたんだけど偽物だーって突っかかられて。」
「警備兵が? ギルドカードの偽造ができないなんて常識でしょう?」
常識なのか。
「その警備兵が新人さんだったらしくてギルドカードの偽造ができないこと知らなかったみたい。それでユーンが私のギルドカード使って見せて人のギルドカードで名乗るとこうなるんだぞーって見せつけたの。」
「はぁ、なるほどね、それでイオルちゃんのカードは真っ赤になっちゃったと。じゃああの子がなかなか戻って来ないのはイオルちゃんのギルドカードを元に戻しに行ってるのね。」
「そうなの?」
「ええ、多分、ギルドカードの修復魔道具のある場所が分からないのよ。滅多に使うことなんてないから倉庫の奥に仕舞ってるから。ちょっと見てくるわね。」
そういうとナユさんも職員専用扉の中に消えて行った。
「あれ、そんな専用の魔道具がないと直せないんだね。」
「みたいだね。」
「…もう一回真っ赤になるの見たいと思ってジンさんの借りてやってみようと思ってたんだ。」
「…俺もよく見てみたいと思ってたからイオルに預けようと思ってた。」
「多分やってたらユーンに怒られるとこだったね。」
「うん、危なかった。」
……セーフっ!




