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曜日替わり能力  作者: 向風
9/125

信用を得る方法

男について村に入った。

どうやら一番大きな家に向かうようだ。

「ここだ!入ってくれ!」

男が扉を開ける。

中を覗くと青白い顔をして横になっている人や自らも怪我をしているらしく布の巻かれた腕を押さえ、寝ている人のそばに付き添っている人、足が折れているのか添え木をして壁に寄りかかっている人など一目見て怪我人とわかる人達がいた。

「おい!ベック、どうした!敵襲か⁉︎」

俺を案内して来た男はベックというらしい。

敵襲という言葉を聞いて怪我をした人達が青い顔をしながらも立ち上がろうとする。

「違う、医者…じゃねえよな、だが回復魔法を使えるってやつがいるんだ!」

「何⁉︎」

頭から流血していたのだろう、頭に巻きつけた布を赤く染め、座り込んでいた男がベックの前に立つ。

先ほど敵襲と言った男だ。

「村人じゃねえな、何だそいつは」

流血男が俺を睨みつける。

「だから言ったろう!こいつは回復魔法を使えるんだ!」

「それをお前見たのか?お前の前で使って見せたのか?」

「あ、いやそれは…」

「馬鹿野郎!この状況で魔法が使えるやつが現れるだと⁉︎そいつが盗賊の一味じゃないなんて何で言い切れる!」

「ぐ、だがこのままじゃ死んじまうかもしれねえ奴らだっているだろうが!どの道もうちちど襲われたら俺たちは終わりだろうが!」

「なんだと!」

これはまずい、このままだと余計な怪我人が出そうだ。仕方ない。

「回復魔法が使えるのがわかればいいんですね?」

口を挟むと皆の注意が俺に向く

「あ、ああそれはそうだが…」

「で、見せてやると言って俺達の仲間に近づいてとどめを刺そうってか、そうはいくかよ!」

(まあそうだよなー、まず一人治療できればそこから順にーって思ったけどそうはいかないよなー。あー痛いのやだなー)

俺はベックさんの前に左手を突き出した。

「な、何だ!?」

俺がベックさんに何かするかのように見えたのだろう。ベックさん口論していた男はもちろん他の男達も俺に敵意をむき出しにする。

「はっ、正体を表しやがったな!叩き切って…」

「ベックさん、剣使ってザクっとどうぞ」

「「「は?」」」

皆が何言ってんだこいつって顔で見てくる。だってしょうがないじゃん。

「お前、何を…」

「いや回復魔法使える証明がいるんでしょ?で、仲間で試させる気にはならない。だったら自分でやるしかないかなぁと」

みなさんドン引き、当たり前だけどね

「あ、でも切り落とすとかは勘弁ね、流石にくっつくかわからないし!こう、なんかいい感じに痛みをあんまり感じないように達人的な切り口でスパッと切るとかでお願いしますね!痛いのが好きとか特殊な思考はしてないんで!」

いや、目の前に今にも死にそうなくらいの怪我人の前で痛いのが嫌とかちょっと何言ってんのって感じだけど嫌なものは嫌だし。

「お、お前に何でそこまでする必要があるんだよ!」

ベックさんと口論していた人が問うてくる。

「え、や、うーん、なんとなく?」

「は?」

「いや、だからなんとなくですよ?」

「お前ふざけてんのか?」

怒りが再燃しようとしてるな。

「ふざけてませんよ、てかこんな問答してる暇ないだろ?ベックさんも固まってないで早く!これでも結構覚悟決めていまか今かと待ってるんですよ!」

「む、無抵抗の人間を斬れってのか!?」

「じゃあ、ベックさんと口論してた人、あなたでもいいのでサクッと!」

「出来るか!」

じゃあどうしろと

「…わかった!じゃあ俺から治してくれ!」

ベックさんと口論してた人が俺の前にあぐらをかいて座り込む。

「いいんですか?」

「ああ、俺は今いる中じゃ立場が一番上だ、何かあった時の責任は俺が取る!」

「ダイアス…」

ベックさんと口論してた人はダイアスというらしい。

「じゃあダイアスさん、治療するのは頭でいいんですね」

「ああ、言い方は気になるがその通りだ」

別に何の意図も無かったのだがまあいいか。


「よし、それじゃやりますよー、あ、ベックさんちょっとこれ持っててください。」

と言って俺は持ってた木の棒を預けておく。一応武器になりそうなものをずっと持ってたら警戒されっぱなしだろうし。

そして集中、思えば人体に回復魔法かけるの初めてなんだよな、今まで治したの木だけだし。

「回復」

治療、ばい菌が入らないように傷口の洗浄、なるべく痛みのないように、そして傷を塞ぐ、簡単に傷が開いたりしないよう確実に…。

時間にして約1分ほど、ダイアスさんの頭の傷は綺麗に塞がった。

「終わりましたよ」

「何?もう終わったのか?」

ダイアスさんは恐る恐る傷のあった場所を触る。

「…無い、傷が無い、治ってる…」

「「「おおっ!」」」

「どうですか?俺の回復魔法は合格ですか?」

「あ、ああ、疑ってすまなかった…」

ダイアスさんは座ったまま頭を下げて見せた。


しばらくおっさんしか出ないと思います。


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