VSオーク2
オーク相手の必死の攻防は続く。
「ブモオォォォ!」
オークが腕を振り回しながら突っ込んでくる。
「っつ、燃えろ!!」
こっちとしてはオークの腕だろうが体だろうがまともに当たったらアウトなので全力回避してからの火魔法を当てるしかない。
ちなみに水魔法、風魔法は使っていない。正直当てたところで有効打にはなりそうに無いから。
俺の方はここまで被弾ゼロだが何度か危ないところがあった。
1番危なかったのは飛びのいて回避した後オークが足を振り下ろそうとしているのを見た時で、正直終わったと思った。
俺がまだ生きてるのはイオルのおかげだ。的確な射撃によりオークの意識を逸らしてくれている。
オークには新しく2本の矢が突き刺さっている。
現状オークは胸、右側頭部、右目、喉に矢が刺さっている状態で何より片目を潰してくれたのがデカイ。そのおかげでかなり攻撃を避けやすくなった。
「ハァハァ、さすがにそろそろ逃げたいとこなんだけど…、まだまだ元気いっぱいだな…。」
結構な回数火で炙ったしイオルのボウガンで片目も潰れてるのに全く諦めるような様子が見えない。
「ブモオォォォ!」
「しゃーない、もうちょい頑張るしかないか。」
近距離戦を捨てたため出番の無い棒を握りしめて走る。
ここまでの戦いで気づいたのだがオークの攻撃自体は単調なものが多い。
腕を横に振るか上からの振り下ろしまたは掴もうとしてくる。
あとは突進と踏み付けにだけ注意すればいい。
こちらは近づかれ過ぎないように気をつけてオークの背後を取るようにすればいい。
上から振り下ろそうとするオークの腕を避けて死角となっている右手側に回る。
「火炎!」
横を抜けながら火魔法を放ち脇腹辺りを焼く。
「ブモォォ!!」
数秒ほど炙ってやったがすぐに範囲外に逃げられてしまう。
先ほどからこれの繰り返しだ。
「はぁはぁ…、確実にダメージは入ってるはずなんだけどな…。先にこっちの集中とスタミナが切れそうだ…。」
「ブモオォォォ!」
雄叫びを上げるオークに憔悴しつつも再度迎撃態勢を取った。
「マズイよー、オーク全然倒れない…、もう矢もないのに…」
イオルは持って来ていた矢の内4本をすでに使っており、たった今最後の1本をオークの腹、魔石がある位置を狙って撃ったところだった。
矢は狙い通りに飛び腹に刺さったのだが脂肪に阻まれて魔石までは到達しなかったようだ。
「あとはもうこれしか…」
ボウガンの弦を引き上げながら腰にある鞄を見る。
その中にはもう1本だけ矢が入っている。ただしロープ付きだが。
このロープは矢と完全に固定しておりナイフでもないと外せない。
かと言ってロープ付きのまま撃ってしまえば自分の居場所がバレてしまう。そうなれば自分がジンさんの重石になることは間違いない。
「やっぱりもう片方の目を狙った方が良かったんだ…、防がれたかもしれないけどその方がまだ可能性あったのに…」
オークは残っている目を庇うように常に体の左側を動かすようにしているようで狙いがつけらなかった。なので届きさえすれば確実に倒せる魔石の方を狙ったのだがダメだった。
「何を落ち込んでいるのですか?」
「へぁ⁉︎」
急に声をかけられて変な声が出てしまう。
「ユーン⁉︎ いつのまに⁉︎」
「今戻ったところです。ちゃんと周囲も確認しなくてはいけませんよ。他の魔物が寄ってくる可能性もあるんですから。」
「うっ、お説教は後にしてよー」
「それもそうですね。では状況を教えてください。」
「うん、えっと、見てわかる通りジンさんが火魔法で戦ってて、でも少し当ててもすぐに逃げられちゃうからあんまり効いてない、のかな? 私はもう普通の矢の方は撃ち尽くしちゃってて、残ってるのはこのロープ付きの矢だけしかない状況で、後はえっーと、あ、オークの片目は潰したから多分頑張れば逃げれる。…かも?」
身振り手振りを交えながらユーンに現状を伝える。
「ふむ、なるほど。…かなり体力は削れていそうですね、ここまできたらいっそ討伐を目指してみますか。」
「え、本気⁉︎」
「はい、安全に逃げられるかわからない以上、倒せるのならその方が効率的でしょう。では行きます。」
「ちょ⁉︎」
言うが早いかユーンはジンさんとオークが戦っているところへ走り始めた。
修正というか書き足しました。
なろう投稿開始から3ヶ月目です。本当ならオーク戦終了まで書きたかったんですが間に合いませんでしたね。
後ここ数話ほどジン以外のキャラの視点とか入れてみてます。何故か未だに名前紹介してないお兄ちゃんが初でしたが…。
これからも視点とか書き方とかも少しずつ変化したりまた前のに戻ったりするかもしれませんが試行錯誤していく所存です。




