戦闘準備
改めてイオルに魔物を探してもらう。
「うーん、この辺りにはいないみたい。川沿いに歩いてみよっか。」
「ですがあまり町から離れすぎても遅くなります。依頼の報告にも行かなくてはなりませんしあまり時間はかけられません。」
「そうだな、ちゃんと戦えるかどうか試すだけだから1回戦闘すればいいし町に帰ったらイオルの眼帯買いに行くからね。」
「あー、そういえばこの後買い物行くんだったね。せっかくだし眼帯以外も色々見て回ろうよー」
「良いですね。冒険で使うものも見ておきたいです。私も何か武器にするものを決めたいですからね。その辺も考えて見て回りましょうか。」
確かに、今回は冒険者ギルドでユーンさんが道具を借りてくれたので問題なかったが基本は自分たちで用意すべきだろう。後ユーンさんはギルド職員の仕事もあるから毎回冒険に出られるわけじゃない。なので所持品の役割分担も決めておかないといけない。
「それじゃ頑張って探すよー。あ、ユーン肩貸して。寝ながらだとまっすぐ歩くの難しくて。」
「それはいいですが、寝ながら歩くって聞くと違和感がありますね…。」
イオルは脳への負担?を抑えるためか半睡眠状態な為、片目を閉じ、さらに閉じた目を手のひらで押さえて超音波を出して魔物を探してくれている。
「確かにね。あ、ボウガンは俺が預かるよ。」
そう言ってイオルからボウガンを預かる。持ってみると分かるけど結構重いんだよね。
「うん、ありがと〜、それじゃ魔物探し行ってみよ〜。」
それから数十分ほど歩いて探すがまだ魔物を発見出来ていない。
「んー、いないなぁ」
「会おうとすると見つからないもんだな。」
町から川まで来るまでの間も魔物の反応はなかったらしいし実は魔物って少ないのだろうか?
「一応ね、川の対岸を探知したら反応はあるんだよ?でも流石にボウガンじゃ届かないし泳いで渡るわけにも行かないからねー。」
ちゃんといるのはいるのか、でもなぁ
「対岸の魔物にもしボウガンが届いて仕留めたとしても討伐部位の剥ぎ取りするために結局川渡らないといけないし放置でいいんじゃないかな。」
「だよね〜。地道にこっち側で探すしかないかー。」
さらに少し川沿いを歩き、町から離れ過ぎという話になってUターン。そこから来た道を戻る。
すると
「…見つけた。多分ゴブリン、数は4かな。」
「4匹か、ちょっと多いな。でもこれほとんど最初ユキノシタ採取した場所まで帰って来ちゃったな。待ち伏せでもしてた方がよかったかな。」
ちょっと徒労だったな。
「どうしましょう、1匹はイオルが狙撃して倒すとしても残り3匹、ジンさん1人だと危険かもしれません。私も前に出ましょうか?ゴブリン1匹なら頑張ればなんとかなるかもしれませんし。」
気丈に自分も前衛に出るというユーンさん、だが
「なんとかなるって言い切れないならダメだよ。ユーンさんはイオルの護衛役をお願い。」
「…了解しました。」
少し落ち込ませてしまったようだ。勇気を出して言ってくれたのは分かるんだけど魔物相手にナイフ一本で立ち向かうとか無謀もいいとこだろう。
岩の影に隠れながら近づいていく。まだ遠いが肉眼でも魔物が見えて来た。やはりゴブリンのようだ。
「ジンさん、ここからなら充分狙えるよ。」
もうすでにボウガンの弦を引き上げてあとは矢を番えればいつでも撃てるという状態のイオル。
「よし、じゃあ俺はイオルが1発撃ったら前衛に出る。イオルはここから狙撃でユーンさんはイオルの護衛。これでいいかな。」
「1発目でこちらに気づきとは限りませんし様子を見て2発目を狙って見てもいいのではないですか?」
採取用のナイフを抜いて構えているユーンさんが別の提案をする。
「あー、その方がいいか。」
「多分だけどいきなりこっちに向かって来てもそれなりに距離があるし2発目間に合うと思うよ。」
ユーンさんの案にイオルが乗った。狙撃する本人ができると言うのだし任せてみようか。
「そうか、わかった。じゃあそれで行こう。」
最後の作戦会議を終えてゴブリンたちを見る。
異世界初日以来のゴブリン討伐だ。
ゴブリン退治です。




