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曜日替わり能力  作者: 向風
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お母さん

ユーンさんがパーティに入ることになった。

「それじゃあユーンもパーティに入ったわけだし依頼を受けに行こー!」

「待ちなさい。まだジンさんの能力の説明を受けている途中だったでしょう。」

部屋を飛び出していこうとするイオルをユーンさんが捕まえる。

「あ、そうだった!」

「まったく…。ジンさん、申し訳ありません。」

「いや、大丈夫だよ。とりあえず能力が毎日入れ替わってるって事さえ理解しておいてもらえればいいし。」

「了解!」

「それならいいですが。」

「あ、でもまだ今日の能力聞いてない!」

「ああ、そうか。…うーん、どうしようかな。」

「何か問題があるのですか?」

「いや、そういうわけじゃなんだけどね。」

(今日の能力、まだ自分でも確認してないからなぁ…。)

先に能力の感覚とか使い勝手とかを試してからの方が自信を持って説明できる気がする。

「せっかく2人には俺の能力のことを知って貰えるようになったし実践して見てもらおうと思うんだけど今日のは能力はちょっと室内だと心配な部分があるんだよね。だから依頼を受けるなりして外で見せたいんだ。」

(ちょっと苦しい言い訳だったかな?)

「なるほど、そういうことですか。それなら人の目につかないところで見せて頂いた方がいいかもしれませんね。」

「じゃあ早速依頼見に行こうよ。ジンさんの能力も気になるし、3人で出かけるのも楽しみだし!」

納得して貰えるか微妙だったが2人とも了承してくれたようだ。

「ありがとう。じゃあ依頼の確認に行って見ようか。」


「…無いねー。」

「…無いな。」

「…無いですね。」

ギルドの掲示板を見て良さそうな依頼が無いか探していたのだが見つからない。

「やっぱり良さそうな依頼って朝のうちに無くなっちゃうんだね…。」

「そう見たいだね。俺たちが受けられるものもあるにはあるけど…。」

「ダメです。依頼内容と報酬が割に合っていません。というか誰ですか、こんな依頼を通したのは。」

いくつか受けらるものはあるのだがユーンさんに却下されてしまったのだ。


「ユーン?どうしたの?」

俺たちが掲示板の前で話し合っていると後ろから声をかけられた。

「はい?ああ、お母さ…、ナユさん。」

「ふふっ、ユーンは今日はお休みなんだからお母さんでいいじゃない。それで何をしているの?」

「はい、ちょっと依頼を受けて見ようかと思いまして。大丈夫だよね?」

「依頼?ユーンはギルドカードも作っているから大丈夫だけど…。イオルちゃんと2人で受けるの?」

「いえ、イオルもですがこちらのジンさんも一緒にです。その、2人にパーティに誘って頂きまして。」

「ナユさん、こんにちは!」

「はじめまして。ジンと言います。ユーンさんと冒険者パーティを組ませていただくことになりました。よろしくお願いします。」

「あら、これはご丁寧に。ユーンの母でナユと言います。…ユーン、昨日あなたが言っていたのはこちらの方かしら?」

「はい。そうです。ですがもうお許しを頂きましたので問題ありません。」

「あなたのことだからイオルちゃんとパーティを組んでいる方だから何もなかったことにってわけではないわよね?」

「はい、話し合った結果お互いの能力を教え合うことになりました。その際、同じ過ちをしないようにこれをつけることにしました。」

そう言ってユーンさんは自分の腕に着けられた腕輪をナユさんに見せる。

「…そう、能力を教えたのね。…あら?でもそれでジンさんには何の得があるのかしら?あなたの能力を知るだけなら脅す内容にはなるでしょうけど。」

「それは説明することができません。内緒にすると決めたので。」

これは俺が説明した方がいいかな。

「えっとですね。俺の能力もユーンさんと同じなんです。」

「同じ、と言いますと、まさか…」

さっきまでいた個室とは違ってあまり不用意なことは言えないがナユさんも気づいてくれたようだ。

「はい、今思っていることで間違い無いと思います。ですのでギルド職員の方に味方が欲しかったのもあったので。その話をしていたときにユーンさんも冒険者に憧れたことがあると聞きまして、ギルド職員の仕事が無い日だけでもどうかと誘わせてもらいました。」

まあ誘ったのはイオルだけど。

「なるほど、そういうことでしたか。」

「もしまだ気になるようでしたら家に帰ってからユーンさんに確認してください。腕輪を外せば話せるはずなので。」

正直なところあまり広めて欲しくは無いがご両親からすれば娘が【協約の腕輪】なんて着けて帰ってきたら心配するだろうし。

「いえ、その必要は無いでしょう。それにユーンは一度決めたらそうそう曲げませんので腕輪を外して説明するなんてしてくれないと思いますよ。【協約の腕輪】なんてものを持ち出したのもユーンなのでしょう?」

「はい、絶対に話しません。」

「ね?頑固でしょう?いったい誰に似たのかしら。」

「ははは…。」

「あら?そういえばもう片方の腕輪はどうしたの?ジンさんは付けていないようだけど。」

「ああ、それならイオルに着けさせました。口が軽いのでちょうどいいかと。」

「か、軽くないよ⁉︎」

「そうねぇ、イオルちゃん、ちょっとだけ考え無しで行動することがあるものねぇ。」

「ナユさんまで⁉︎」

「あーうん、あるなぁ…。」

「ジンさん⁉︎私の味方がいないんだけど⁉︎」

「まあまあ、それで依頼どうしよっか?」

ナユさんと話していたことで脱線していた依頼探しに戻る。

「そうですね。割に合わないのを理解した上で受けるか、町の外に出て見て魔物を倒しに行ってみるかですかね。」

「あら?依頼が見つからないの?だったらギルドの食堂からの依頼を受けてもらえないかしら。」

「食堂からの依頼?」

「ええ、なんでも採ってきて欲しい食材があるらしいのよ。依頼書はまだ作ってるところなのだけど食堂で話だけでも聞いて見てもらえないかしら。」

「どうしましょう?」

「ほかに目ぼしいものもないし話を聞くだけでもいいなら聞いて見ようか。」

「了解!」

というわけでギルドの食堂の方に向かってみることにした。






なんかイオルがアホの娘みたいになりつつあるけど気のせいです。多分…。

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