ユーンさんの能力
装着した人が決められた制約を破ると痛みを与えると言う【協約の腕輪】。
イオルに渡したものと対の腕輪に俺の能力に関することのみ設定してユーンさんに渡した。
「ありがとうございます。これで上司への説明と他のギルド職員への示しになります。」
さっきのイオルの痛がり様を見るに強めの静電気くらいだとは思うけど女性にプレゼントするものとしてはどうかと思う。
「それでは私の能力をお話しさせて頂こうと思います。」
自分に腕輪をつけてからユーンさんが話し始める。
「私は能力を2つ所持しております。1つは単体の能力としては平凡なものでそんなに珍しいものでもないのですが複数能力持ちと言うだけで貴族の方からすると自分の所有物として誇示出来るものらしく、狙われることがあるそうなので誰にも話さないで頂けると助かります。」
「大丈夫、誰にも話さないよ。」
「ありがとうございます。ではこちらをご覧ください。」
ユーンさんからギルドカードを受け取った。
ユーン 17歳
登録ギルド サルコス
冒険者ランク G
能力 【投擲制御】【低燃費】
魔法ランク 1
「おお、本当に能力が2つ表示されてる。それにユーンさん魔法も使えるんだね。」
魔法について触れるとユーンさんは苦笑いして答える。
「魔法ランク1では魔法を使えるだなんてとても言えませんよ。」
「そうなの?他の人が魔法使うとこ見たことがないからもし良かったら後で見せてもらっても良い?」
「はい。ですが戦闘魔法レベルの魔法が使えるジンさんにお見せするほどのものではないので期待しないでくださいね。」
「了解。」
「では能力の話に戻りますね。ギルドカードに記されている通り私は【投擲制御】と【低燃費】と言う能力を持っています。私が複数能力持ちだと言うことは私の両親とこのギルドのギルドマスター、それにイオルと今日でジンさんが加わりました。ですが数人のギルド職員や知人には私の能力は【投擲制御】だと説明しています。」
「ちなみに能力の内容というか効果を聞いても?」
「はい、【投擲制御】は手に持ったものを狙ったところに投げれると言う補正が付くものです。」
そのまんまだな。でも良いなー、俺結構コントロール悪いから羨ましい能力かもしれない。
「なるほどね。じゃあもう一つの【低燃費】を持っていることさえバレなければ問題ないんだね。」
「はい、ですのでもし外で私の能力の話をすることになったら【投擲制御】の方だけにしてください。」
「わかった。まあそうそうないと思うけどね。」
「それもそうですね。」
「ところで【投擲制御】の効果は予想通りだったんだけど、【低燃費】って何?少しの食事で長く動けるとかなの?」
「よくわかりましたね。【低燃費】は常時発動の能力なのですが私も両親もどんな効果があるのかずっとわからなかったんです。それでお父さんが長年の友人で信頼しているこのギルドのギルドマスターに相談して調べてもらってやっと分かったのに。」
俺に言い当てられて驚いているようだ。いや車を人に置き換えるとそうかなって思っただけなんだけど。
「うんまあ、似たような能力を知ってたと言うか。それより常時発動って意識しなくても使ってるってこと?」
「あ、はい。能力には使おうと思って発動するものと普段から発動しているもの、後かなり珍しいそうですが本人が意識せずに発動してしまうものがあるそうです。」
(アクティブ能力とパッシブ能力があるってことか。最後のはオート能力かな?)
「なるほどね、ありがとう。参考になったよ。」
「いえ、お役に立てたのなら良かったです。」
そう言って笑顔を見せてくれた。少しは打ち解けられたかな?
「それじゃあ次は俺の能力の話だね。」
「はい。」
「…私もう喋っていい?」
と、ここまで何故か無言だったイオルが聞いてきた。
「どうしたの?妙に静かだと思ってたけど」
「だって、ユーンの能力の話に入るとまたバチッってなるかもだから喋れなかったの!」
「「あっ」」
「…ユーンさん、イオルの腕輪に俺との会話ではユーンさんの能力の話をできるようしてあげても良いかな?」
「…そうですね。」
イオルの腕輪を再度預かり、調整することにした。




